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プロセス変革・業務改革

LTS × ヤマハ発動機ビズパートナー グローバル事業を支えるプロ集団として~高度シェアードサービス会社への挑戦~

企業グループのコーポレート機能(バックオフィス業務)を集約・専門化し業務プロセス改善やサービス品質向上を図るシェアードサービスが広がっています。ヤマハ発動機株式会社(本社・静岡県磐田市)グループのシェアードサービスを担うヤマハ発動機ビズパートナー株式会社(本社・同、以下YMBP)では、「高度シェアードサービス会社」へ向けた「総務領域における業務シンプル化プロジェクト」に取り組み、LTSが伴走・自走支援しました。高度シェアードサービス会社とは何か、目指す意図や背景、プロジェクトの成果をLTSマーケティング&セールス部の田中が紹介します。
プレスリリース https://lt-s.jp/news/pressrelease/2025-12-25-2

グローバル事業を支える

静岡県磐田市。ヤマハ発動機やYMBPの本社から数分歩くと、サッカーJリーグの名門、ジュビロ磐田や、ジャパンラグビーリーグワン、静岡ブルーレヴズのホームスタジアム「ヤマハスタジアム」があります。試合の日には多くのサポーターが詰めかけるスタジアムや周辺の駐車場を運営会社へ貸し出したり、管理したりする業務もYMBPが担っています。

ヤマハスタジアム

ヤマハ発動機グループは連結従業員数が約5万4000人。関係会社は、海外122社を含む163社。二輪車を始めマリン製品、ロボティクス、金融サービスなどを約180の国・地域で展開する日本を代表するグローバル企業です(いずれも2025年12月時点)。そんなグループのコーポレート業務を支えるのがYMBPです。

総務領域の業務は各種書類への本社公印の押捺、代表電話対応、全社員向け通達、公用車の管理、細かいものでは社内向け手帳・カレンダーの作成・販売、名刺発行業務の全体管理まで多岐にわたります。加えて、ファシリティや情報管理等のグループ主管部門という役割も担っています。

金原さん

総務ユニットでシンプル化推進リーダーを担当された金原理恵さんは「海外出張のビザ申請書類や契約書など社の公印申請が毎日、数十件あります。申請には上司の捺印を受けた紙の申請書の提出が必要です。しかし、リモート勤務の普及により申請書の受け渡しに時間がかかったり、不備がある場合は申請者への追加確認が発生します。属人化していたり、アナログな業務が多く、非常に工数がかかっていました」といいます。

大橋さん

そんなYMBPは2024年に策定した中期経営計画で、シェアードサービスの推進と経営管理機能との両立を「高度シェアード」と定義し、会社として目指す方向を明確にしました。2023年1月にヤマハ発動機本社から異動してきた総務ユニット長の大橋武史さんは「高度シェアードを目指すに当たって、業務効率化に関するノウハウが不足しており、また日々の業務に忙殺され余力がなかった」と課題を感じていました。

そこで2023年、LTSへ総務部門の変革を進めたいとの要望を頂きました。LTSから参画したのは、Consulting事業本部/BX事業部(東海)の野田翔太、大田垣慧、池本悠香、BX事業部(関西)の井上順一、近藤輝一の5人。総務ユニットの池田亜美さんは「業務が可視化される、フローがきれいになるという期待と、何をするのだろうかという不安もありました」と当時の雰囲気を語ってくれました。

改善とDXで「こんなに変わる」

池田さん

LTSはまず業務アセスメントを実施し、業務オペレーションの標準化・自動化・簡素化・外注・移管といったシンプル化を優先して解決すべき課題として設定しました。シンプル化とは「業務の可視化(業務フロー作成)や、課題抽出・対策検討だけではなく、業務全体の整合性を図りながら最適な業務プロセスを構築すること」とYMBP総務ユニットにて定義して活動を進めました。また、それら一連の流れをYMBPメンバーの方々とともに検討することで、シンプル化ノウハウを習得し、YMBP自身で自走して改善活動を行うための体制構築を目標としていました。

具体的には、2024年をシンプル化伴走フェーズと位置づけ、総務領域の6業務を対象に、LTSと二人三脚で業務改善を実施し、業務可視化のためのフロー作成スキルや問題整理、課題設定等のノウハウ習得を行いました。翌2025年はシンプル化自走トライアルフェーズとして改善活動の主体をYMBP、LTSは必要に応じて適宜フォローする体制を取り、2026年から完全自走での改善活動を行えるようご支援しました。

その結果、金原さんは「代表電話への入電や通達管理、公印関連などシステム化、DXでこんなに変わるのかというほど作業が効率化され、効果を感じています。また、業務への姿勢が前向き、自発的になりました」といいます。実際、池田さんは「業務フローをつくる基礎を学べたことで、シンプル化の道筋が見えるようになり、ほかの業務でもやれるのではないか」と感じるようになったそうです。

串田さん
今泉さん

ほかにも、2025年の取り組みでシンプル化対象業務とした駐車場管理。グループが保有する駐車場は約1万台分あります。「従業員やお客様用など複数の駐車場が各地にあり、割り当てや通常・特別使用の管理といった業務がシンプル化の対象でした」。こう説明してくれたのは、YMBP総務ユニットの串田義和さん。串田さんはラグビー選手として帝京大学、ヤマハ発動機ジュビロ(静岡ブルーレヴズの前身)で活躍し、ジュビロでは主将も務めました。

シンプル化推進リーダーを担当された今泉仁志さんは「駐車場の位置、貸出場所など担当者の頭の中にある判断基準や項目、担当者が何をしているのか現状を確認するためヒアリングを実施し業務フロー作成による現状可視化と、洗い出した問題の整理、深掘りを行いました」と振り返ってくれました。


 

“自分事”として自走、業務進化

浦野さん

YMBPは2026年、総務ユニットのメンバー全員が高度シェアード化を“自分事”とし、自走し、進化する体制づくりを目指します。総務ユニットメンバー(取材当時)の浦野あすかさんは「新たにヤマハ発動機本社の事業部の総務業務を引き取る予定で、稼働に向け課題を抽出中です。これを成功させてモデルケースにしたい」、池田さんは「受託業務を安定運営して終わりではなく、どうコストを削減し効率化・標準化できるかこちらから提案し、成功例をほかのグループ会社にも展開したい」、串田さんは「総務領域でのシンプル化のノウハウはほかの領域でも適用できそう。シンプル化で工数を削減し筋肉質な体制をつくっていくことがYMBPの生きる道」と感じています。

大橋さんは今後について「まずは国内グループ会社のコーポレート業務を巻き取り効率化・標準化・工数削減を図り、間接コストを低減したい」と考えています。また、「コンサルティング会社が支援している間、プロジェクトは進むけど、抜けると止まるということがよくあります。LTSは『自走できるお手伝いします、そのために伴走します』と言ってくれた。そこに共感しました。自走のための武器を持たせてくれ、最後は自分たちでやっていくというカルチャーができました」との評価を頂きました。

(左から)LTSの野田、浦野さん、金原さん、池田さん

YMBPが工数余力を創出し、ヤマハ発動機グループ全体の円滑な運営を支える高度シェアードサービス会社への一助となったことに、LTSの野田は「業務改善に明確な武器を持っていただけました。YMBPのメンバーと一緒に変革する現場に立ち会い、成果を出せたことは、非常にやりがいのあるプロジェクトでした」と話しています。



ライター

Tetsu(LTS マーケティング&セールス部 マネージャー)

新聞記者、月刊誌編集者を経て2024年1月にLTS入社。北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニットを修了し、同大でサイエンス・ライティング講師を経験。著書、共著、編著に「頭脳対決! 棋士vs.コンピュータ」(新潮文庫)など。SF好き。お勧めは「星を継ぐもの」「宇宙の戦士」「ハーモニー」など。(2024年1月時点)