カンファレンスレポート IRMUK Business Analysis Conference Europe 2021 ビジネスアナリストが「データへの理解を深めること」の重要性

DX業務変革

こんにちは。LTSの坂口沙織です。

先日、欧州のビジネスアナリストが集まるカンファレンスであるBusiness Analysis Conference Europe 2021に参加してきました。

そこで今回はカンファレンス参加レポートとして、欧州のビジネスアナリスト達の間ではどんなことが話されているのかなどをご紹介したいと思います。

イベント概要

まずは、イベントの概要を簡単にご紹介します。

■イベント名:Business Analysis Conference Europe 2021
https://irmuk.co.uk/events/business-analysis-conference-europe-2021

■主催:IRMUK
(ビジネスやIT関連の研修などを行う団体で、ビジネスアナリシスをはじめ様々なテーマで年次カンファレンスを開催している)

■開催日程:2021年9月20日~2021年9月23日

■開催形式:オンライン

Business Analysis Conference Europe 2021は、全4日のイベントで、初日と最終日はワークショップの開催で中2日がカンファレンス、という構成でした。今回、私はカンファレンスのみ参加しました。

私がこのカンファレンスに参加するのは2018年に参加して以来、3年ぶりです。前回はオフラインでの開催でしたが、今回は新型コロナウイルスの影響によりオンラインでの開催となりました。

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経験豊富なビジネスアナリストたちによる講演

カンファレンスは並行トラック形式で進行し、以下6つのテーマに分かれて40以上の講演がおこなわれました。

・ビジネスアナリストの必需品(The BA Toolkit/Essentials)
・業務変革(Business Transformation)
・エンゲージメントとコラボレーション(Engagement and Collaboration)
・ビジネスアナリシスと新興技術(Business Analysis and Emerging Technologies)
・内省(Reflection)
・ビジネスサービスデザイン(Business Service Design)

私はこの中で「ビジネスアナリストの必需品(The BA Toolkit/Essentials)」の講演をメインに聴講しました。このテーマでは、シニアレベルのビジネスアナリストがこれまでの経験をもとに、ビジネスアナリストに求められるスキルや、日々の仕事の進め方などを紹介するセッションが多く含まれていました。

スピーカーはビジネスアナリスト経験10年以上という、ベテランの方々がたくさんいらっしゃいました。日々の実務を進める上でのヒントが得られればと思い、実務寄りのセッションを選んで参加しました。

IRMUKのHPではカンファレンスのアジェンダが公開されていますので、興味がある方は是非ご覧ください。
https://irmuk.co.uk/events/business-analysis-conference-europe-2021/

高まる“データへの理解”の重要性

今回このカンファレンスに参加して感じたのは、ビジネスアナリストにとってデータに関する知識を持つことがより重要視されるようになっているということでした。

例えば、「ビジネスアナリストのトライアングル」というセッションでは、BAにとって重要な3要素として要求プロセスデータが挙げられていました。

そして、「なぜSQLとリレーショナルデータベースに関する知識がすべてのビジネスアナリストにとって必須の知識なのか?」という講演もありました。

「なぜSQLとリレーショナルデータベースに関する知識がすべてのビジネスアナリストにとって必須の知識なのか?」という講演で言われていたことは、大きく以下の3つになると理解しました。

・データからはビジネスルールやビジネスの意思決定を読み取ることができるので、ビジネスアナリシスにおいてデータ分析は重要な要素のひとつである

・データ分析に関する深い専門性はいらないが、ビジネスアナリシスの文脈で知っておくべきデータ分析の基礎はおさえておいた方が良い

・SQLは苦手意識を持つ人も多いが、とてもシンプルなものなので食わず嫌いせず習得しておくと良い

市場でも重視される要素に

データ分析に関する知識を身に着けることは、ビジネスアナリストとしての日々の仕事に役立つだけではなく、自身の市場価値を高める上で重要な要素だと言われていました。

例えばキャリア検索サイト「Zippia」では、ビジネスアナリストに必要な15のスキルを紹介する記事の中で、ビジネスプロセスやプロジェクトマネジメントに関する知識と並び、データ分析に関する知識を挙げているそうです。

■15 ESSENTIAL BUSINESS ANALYST SKILLS FOR YOUR RESUME AND CAREER
https://www.zippia.com/business-analyst-jobs/skills/

ちなみにSQLの学習方法として、「W3schools」というオンライン学習サービスが紹介されていました。W3schoolsはノルウェーのソフトウェア会社によって作られたオンライン学習サービスで、SQLに限らず、CSS、JavaScript、PHPなどのプログラミング言語を学ぶことができるそうです。(なんと無料!

■W3schools
https://www.w3schools.com/

■W3Schoolsなら何が学べる!?webの基本を包括的に学べると噂のオンライン学習サービスを徹底調査!
https://online-study.jp/5321/

ビジネスアナリストの自給自足にとっても必要なデータへの理解

ビジネスアナリストの自給自足という観点でも、データの取り扱いに関するスキルを持っていることの必要性が話されていました。

要求分析を行う際にも、ユーザへのヒアリングだけでなくデータから業務ルールを読み解く必要があったり、受入テストの際にもデータ観点でのレビューが必要だったりします。

確かに、特にIT-BAにとってはこうした作業をエンジニアや他の人にお願いしないといけない状態では、なかなか作業がやりにくいだろうということが想像できます。

また、運用後のトラブルシューティングでもデータ起因の障害の場合にはデータ修正のスキルが必要になるため、そうした意味でもビジネスアナリストが自給自足で仕事をしていくために求められるスキルだと言われていました。

この話を聞いて思い出したのは、とある会計系コンサルタントの「仕訳を見れば、業務がわかる」という話でした。データに関しても同じことが言えるのだと思います(仕訳もデータの一つとも言えますが)。

データにはたくさんの業務要求のヒントやビジネスルールが隠れています。特に、業務パターンの洗い出しなどはユーザへの業務ヒアリングだけでは拾いきれない場合も多いので、データ観点でも要求分析を行う必要があります。

非システムからシステムへの改革ではなく、システムからシステムへの改革が大多数を占めるようになってきている現在では、表側としてプロセスの分析があるとすれば、裏側としてデータの分析が表裏一体で存在しているということを感じました。

まとめ・感想

「IT-BAはデータとどう向き合うべきか」は自分の中でも関心のあるテーマでしたが、今回IRMUKに参加する中で複数のセッションでデータへの理解の必要性が話されているのを聞き、改めて重要性を認識することが出来ました。

最近アジャイル開発に挑戦する中でも、変化に強い仕組みを作るためには土台となるデータモデルをきちんと作っていくことがポイントだということを感じていたので、プロセスのモデリングはもちろん、データのモデリングやSQLの知識をきちんと身に着けていきたいと思いました。

以上です。お読みいただきありがとうございました。


執筆者

坂口 沙織(LTS コンサルタント)
基幹システム導入PJを中心に、IT導入PJにおけるユーザー側タスクの支援に一貫して携わるビジネスアナリスト。構想策定から導入後の運用安定化支援まで、システム導入のライフサイクル全てに関わる。Scrum Alliance認定スクラムマスター(CSM)。

編集者

大山 あゆみ(LTS コンサルタント)
自動車部品メーカーにて、グローバルで統一された品質管理の仕組みの構築・定着化を支援。その後、RPAを活用したコンサルティングに従事。産休・育休を経て、CLOVER Lightの立ち上げに携わり、記事の企画・執筆を務める。現在、アジャイル開発スクラムについて勉強中。Scrum Alliance認定スクラムマスター(CSM)。