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【国際交流】ベトナムは「Work hard, play hard」~FPT-AIC×LTSハッカソン報告(前編)

LTSのデータサイエンスチームに所属している角谷あおいです。業務資本提携をしているベトナム最大手IT企業FPTのAI研究組織AIC(FPT-AIC)と共同で、10月にハッカソンを現地で開催しました。テーマは大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)を用いたアプリ開発で、FPT とLTSのメンバーで構成されたチームが2日間、取り組みました。ハッカソンの概要や参加者の振り返り、印象に残ったエピソードを紹介します。
角谷 あおい(LTS コンサルタント)

23年に早稲田大学を卒業し、LTSに入社。入社後からデータサイエンスの領域に足を踏み入れ、現在は製造業における大規模言語モデルの活用支援や、不動産業におけるデータ活用支援を行っている。(2024年1月時点)

FPTとLTSの関係は

FPTとLTSはこれまでFCJ(FPTコンサルティングジャパン)設立をはじめ、共同プロジェクト、新規サービス開発など様々な協業を行ってきました。昨年にはFPTジャパンホールディングスとの資本業務提携も結びました。協業関係をより強化するとともに、お客様への変革支援の共同推進にも取り組んでいます。そして、更なる協業推進のため経営陣・リーダー陣にとどまらず、​若手人材定期的な交流機会を設ける第一歩として、今回のハッカソンが開催されました。FPT本社があるベトナム、ハノイで開催され、2024年2月には東京での開催を予定しています。

一流のAI研究機関 FPT-AIC

FPT-AICはFPTのAI研究組織です。AIや機械学習分野で経験豊富な専門家や科学者、エンジニアを擁しており、業務最適化やデータ活用、イノベーションを促進するAIサービスの開発など、多岐にわたるEnd to End のサービスを提供しています。LLM領域でも、製造業や医療、金融など様々な業界にサービスを提供しています。研究機関としても一流であり、世界中のAI研究所や研究機関とのパートナー関係も拡大し続けています。

6チームでのコンペ

ハッカソンでは、「生成AI-LLM」を使用した実際のビジネス課題を解決するPoC構築(実証実験)を行いました。「製造」、「教育」、「ヘルスケア」、「銀行/金融」、「ソフトウェア」のテーマが与えられ、チームごとに具体的な課題を設定し、LLMを用いたプロトタイプを開発します。ハッカソンで掲げられたゴールは以下の4つになります。

  • 「AIエンジニアがLLMを用いて実社会の問題を解決できるようになる」
  • 「世界(ベトナム・日本)のAIエンジニアを繋ぐ」
  • 「AIエンジニアの創造性を引き出す」
  • 「FPTソフトウェアとLTSのパートナーシップを強化する」

チームはFPT・LTS混合で6つあり、うち4つにLTSのメンバーが参加しました。チームは5人で構成され、それぞれビジネス、AI、フロントエンド、バックエンド、インフラの役割を持つコンサルタントとエンジニアが割り当てられました。また、各チームにはFPTとLTSのシニアマネージャークラスのメンターが一人ずつ付き、アドバイスを得ることができました。

ハッカソンのキックオフはベトナム現地開催の約3週間前に行われ、各チームはオンラインで事前ミーティングを自由に開催することができました。現地ではFPTが所有する施設「HOLA PARK」にて寝泊まりし、プロダクト開発を2日間、その翌日にプレゼンテーションを行いました。最終日のプレゼンテーションは、各チームが35分の持ち時間(20分のプレゼンと15分のQA)で行い、「技術優位性」「創造性」「チームワーク」「プレゼンテーション」の観点で評価されます。

上記はTeam2の実際のスケジュールです。Team2では、主要事項の確認等を行う定期ミーティングのほか、ディスカッション・ミーティングでプロダクト概要決定などを行いました。その他、ホワイトペーパーや論文、各自進捗の共有など、随時Discordのチャットでも連絡を取り合っていました。また、9月後半からは、LTS内部で土日どちらかを使ってハッカソンに向けた勉強会も行いました。

ベトナムへ行く前の定期ミーティングの様子(team2)

ハッカソン-ベトナム出張を振り返って

ベトナム出張では、ハッカソンの他にもFPTオフィスの紹介やハノイツアーなどを開催して頂きました。参加メンバーに、今回の出張全体を通して印象に残っていることを伺ってみました!

1.印象深いFPTの存在感

最も印象的だったのは、FPTという企業の大きさです。従業員の多さはもちろんのこと、FTPの施設の大きさや充実度はLTSとは比べられないほどのものでした。大きなFPTタワーや洗練されたオフィスデザイン。キャンパスの中にはサッカーコート、ビリヤード台、ジムなどが備わっており、従業員が自由に使ってよいのは非常に羨ましいところです。FPTの歴史が壁一面に貼られている部屋があり、そこにLTSの名前と写真があったことが誇りに思えました。

ベトナム国内でのFPTの存在感は非常に大きなものです。わずか半日の観光中にも街中のあちこちでFPTのオフィスやロゴを見かけました。歴史的、社会的に多様なバックグラウンドを持つベトナムでのFPTの存在感や、FPT社員のタフさと柔軟さには常に驚かされました。

FPT社に掲示されているLTSの紹介
FPTタワーのエントランス

2.ベトナムメンバーのコミュニケーション能力

朝の4時にハッカソンのメインルームにいくと永遠にエンジニアリングしているかのようなメンバーがいるかと思えば、サッカーや遊びの時間は絶対に守って全力で楽しんでいました。そんな姿を見ると、日本では最近、影が少なくなった”Work hard, play hard”の理念が確かに存在しているのだと感じました。また、チームメイトとのコミュニケーションがとても印象に残っています。

ハッカソン1日目の様子
ハノイツアー

英語に対して苦手意識があったこともあり、当初はFPTメンバーとのコミュニケーションにやや消極的な気持ちでした。しかし、チームメイトが初日のバスツアーから積極的にコミュニケーションを取ってくれ、かつ自分の拙い英語コミュニケーションにも根気強く相手になってくれたこともあり、徐々に自分からもコミュニケーションを取ることができるようになりました。

FPT×LTSの親睦交流

フットボールでの集合写真
最終プレゼン日の昼食

チームや所属に関わらず、フットボールや食事をみんなで楽しみました。食事の時間では、ベトナムのメンバーからベトナム料理の楽しみ方について教わりました。