基幹システム導入PJを中心に、IT導入PJにおけるユーザー側タスクの支援に一貫して携わるビジネスアナリスト。構想策定から導入後の運用安定化支援まで、システム導入のライフサイクル全てに関わる。Scrum Alliance認定スクラムマスター(CSM)。(2021年6月時点)
前職にてシステム開発業務担当後、現職にてBOMを中心とした10年間の客先での運用保守業務を経て、再度開発業務に従事。運用業務で培ったエンドユーザの視点と、システムリプレースにおける知識を開発業務に活かせるよう日々奮闘中。(2022年2月時点)
2020年入社。既存システム改修プロジェクト等に参画し、主にコーディングと単体テストを担当。本プロジェクトで初めてアジャイルとローコード開発を経験する。経験を積むべく、日々勉強中。(2022年2月時点)
参加メンバーの紹介
坂口:
LTSの坂口沙織です。普段は、社内のIT導入プロジェクトと、お客様向けIT導入プロジェクトを、半分ずつくらいやっています。
IT導入プロジェクトの構想策定、要件定義、開発、運用保守、一通りは経験しました。
個人的に、前からアジャイル開発※1に興味があったんですよね。
認定スクラムマスター※2という資格も取得したんですが、実践の機会はありませんでした。
そんな時、社内のシステムを作るプロジェクトをアジャイルでやるのでどうか、とお声がけいただきました。
※2 スクラムマスター:スクラムガイドで定義された、スクラムを確⽴させることの結果に責任を持つ人のこと。
金子:
ソフテックの金子です。
ソフテックは、システムの企画・開発から運用・保守に至る領域でサービスを提供していて、2020年11月にLTSの子会社になりました。LTSメンバーとの業務は、今回が初めてでした。
私は、生産管理のシステム開発を経験した後、10年ほど自動車関連会社のシステム保守・運用をやっていました。
ウォーターフォールしか経験したことがありませんが、アサインされました。
河内:
ソフテックの河内です。金子さんと同じ部署に所属しています。
入社2年目で、これまでは、システムの改修プロジェクトを担当していました。
0からシステムを作る今回のような案件は初めてで、社内メンバーからお声がけいただいて参加することになりました。
はじめてのアジャイル開発とスクラム
坂口:
LTSからは私の他に山本さんや、大井さんが参加されていました。
メンバー全員、アジャイル開発もスクラム※3も初めてでした。
金子:
はい。なにもかも初めてで、どうなるかドキドキでしたね。
ローコードツールの存在は知っていたのですが、コードを書かずにどうやってシステムを作るのか想像がつかなくて。
参加することが決まってから、1か月くらい書籍とかで勉強しました。
金子:
自分たちでシステムの仕様も考えて開発する…それも1週間で。できるかどうか分からないな、と思ったのが正直なところでした。
何が不安だったかと聞かれると、全部不安でしたね(笑)。
河内:
私は、圧倒的に経験値が少ない中で、このプロジェクトで何ができるんだろう、というところが一番不安でした。メンバーの足を引っ張ってしまうのではないかと。
あとは、話すことが苦手なので、うまくコミュニケーションが取れるかどうかも心配でした。
ですが、皆さんが私の足りない言葉からでも意図をくみ取ろうとしてくださったので、コミュニケーションの不安は少しずつ解消されていきました。
また、スプリントレビューではファシリテーションを担当していたので、そこでも自分から話すことに慣れていきました。
坂口:
うんうん。
不安もありつつのスタートでしたが、実際にやってみてどうでしたか?
金子:
私は個人的に、アジャイル開発が肌に合っているな~と感じました。
きっちりやる方ではないので、とりあえずやってみよう!分からないところはあとでやろう!は、すごくやり易かったす。
坂口:
エンジニアの立場から見て、アジャイル開発を進める上でのポイントはどんなところにあると思いますか。
金子:
エンジニアにとっては1~2週間のスプリントに、ついていけるかどうかが重要だなと感じました。 実現させたい仕様を決めて、作って、決めて、作って…を繰り返して、ゴールまでにどれだけ作れるか、かつ変わっていく状況にも対応できるか。
これをやるためにはひとつひとつのタスクに対してスピード感をもって進める必要があります。ちょっとでも気になったことをすぐ確認するようなフットワークの軽さも必要ですね。
坂口:
うんうん、なるほど。
金子:
要求がふわっとした状態から作るので、あらかじめ全て決まってからでないと不安、と感じる人にとっては進め方に抵抗を感じるかもしれないです。
ただ、この全ての要求が固まっていなくても着手できるやり方は固まった要求から小出しに出来るので、プロダクトオーナー側はやり易いかもしれないです。
実際に目に見えて動かせるシステムが早い段階で出るので、プロジェクトを進めるのが楽しくなると思います。
ミスやバグが減り開発に注力できた、ローコードツールの活用
坂口:
今回、ローコードツールにOutSystems※4を使いました。
当初は私がビジネスアナリストとして参画し、開発部分も担当したいと思っていたのですが、非エンジニアが開発スキルを習得するには一定程度の学習が必要ということが分かり、
お二人にご協力いただくことになりました。
河内:
個人的に、コード書くのが得意ではないので、コードを書かなくていいのは画期的だと思いました!
動きが想定通りにいかなかったとき、コードを使っているとエラーの原因究明にも時間がかかるんですが、このツールでは処理がフロー形式になっていて見やすかったです。
河内:
あと、他の人が書いたコードはどんな処理がしてあるか、コメントを参照しないと分からないこともあるんですが、今回は他の人が作った処理でも、分かりやすく編集しやすかったです。
金子:
そうですね。このツールは、ミスを検知してくれるので、バグが出にくく、初心者でも早く習熟できました。
通常だと、仕様書などのドキュメントを作るのに時間がかかり、それが負荷だなと感じていたので、ドキュメントの作成よりも、システムの作成に注力できたのは良かったです。
河内:
私も同感です!
そうやって浮いた時間で開発に専念できるので、バタバタ慌てることなくツールに助けられた部分はずいぶんありました。
金子:
あとは、専用のツールを別に立ち上げたり、サーバーの中をのぞいたりする必要もなく、そのままデータを見たり編集できたりしたのも良かったです。
細かいところを挙げるときりがないくらい、使いやすかった点はたくさん出てきます(笑)。
スプリントで得られる、小さな山を何度も登るような達成感が原動力
坂口:
1週間を1スプリントとしたスクラムは、どうでしたか?
金子:
1週間、あっという間でしたね。
正直、1週間ではなくて2週間とかに、伸ばしてほしいとも思いましたよ(笑)。でも、伸ばしたらタスク量も2倍になるので、必死についていきました。
結果、1週間でこなせることが気持ちよくなってきたというか、心地よく感じるようになりました。
モチベーションになったのは、1週間でやったことが目に見える形で出てくるので、達成感とか積み上げてきたものを感じられる点です。
登山に例えると、ウォーターフォールだと富士山を登る感じで、遠いゴールに向かってはいるものの、先が遠すぎて「まだゴールまでこんなにあるのか…」「自分たちは今どこにいるんだ?」と感じますし、達成感は最後の最後に1度あるだけです。
アジャイルは、小さな山をいくつも登っていくイメージです。
毎回頂上にたどり着くたびに気持ちいい、それがアジャイル開発やスクラムの特徴かもしれないです。
坂口:
その例え、すごくしっくりきますね!
1週間終わったらふりかえって、必要があれば軌道修正をするので、そこでチームの一体感みたいなものも醸成されていき、切磋琢磨して「みんなで頑張っている」状況ができていました。
河内:
みんなで画面を見ながら作るからこそ気づいたこともありましたし、自分にない視点も多く勉強になりました。
坂口:
そうですよね。
個々でやるのが効率的に見えますが、全員で意見出し合い開発する場を設けることで、認識の違いやお互いの視点を知り、ミスや手戻りを減らせましたよね。
金子:
雑談みたいなチームビルディングも新鮮でした。
物理的な距離は遠いんですけど毎日顔を合わせていたので、コミュニケーションは取り易かったです。
みんなで助け合う、One Teamのプロジェクト運営
坂口:
今回、会社の違いとかロールの違いとか、ほとんど意識しませんでした。逆にそれが良かったのかなとも思います。
私も分からないことがたくさんあったので、聞くことも結構ありました。
一つ一つやっていかないと前に進まないので、みんなで知恵を絞って助け合う場面が多かったですね。
河内:
はい。開発からテストまでのうち開発に時間がとられすぎて、テストに時間を割けないことが他のプロジェクトではありましたが、今回は余裕をもってテストできました。
チームのみなさんやツールに助けられたプロジェクトだったなと感じています。
金子:
失敗することもあったんですけど、そのたびに前進していましたよね。
うまくいかないところに納得いかなくて、坂口さんと何回もチャレンジした日もありましたよね。二人とも諦めが悪くて(笑)。
坂口:
ありましたね(笑)。
私はご飯を食べてから、金子さんはお子さん達を寝かしつけてから。
金子:
はい。今回ツールに助けられて時間が浮いたみたいな話をしていましたが、このプロジェクト中に第2子が生まれまして、家庭のための時間をとりつつ開発ができました。
普通のプロジェクトだったら、正直無理だったなと思います。
レスポンスの早さも重要で。1週間で、2~3日返信がないともう遅れちゃうんですよね。
それをメンバー全員が意識していたので、チャットを投げたらすぐ返信が来ていました。
坂口:
うんうん。私は今回特に、違う役割の人と仕事をする楽しさを改めて感じました。
お二人とも業務目線で考えてくださっているなという印象で、私ももっとエンジニア目線で考えられるようにならなければ…と思いました。これからも勉強していきます!
金子:
私も、人として成長できた部分もあり、感謝しています。
また、自分の立場・役割に縛られずに進めるというスクラムの思想だからこそ、それぞれの立場をお互いが理解する必要があるなと感じました。
河内:
私は、経験は人より少ないですが、そこは今後積み重ねていくしかないと思っているので、技術面やコミュニケーション面でできるようになったことを、今後も磨いていきたいです。
金子:
あと、LTSでは発信に力を入れていて、事例共有会をはじめとする勉強会が社内に多くあると聞きました。
他の人の経験から学ぶことは多くいい場だと思うので、それは自社に持ち帰りたいと思っています。
ライター
自動車部品メーカーにて、グローバルで統一された品質管理の仕組みの構築・定着化を支援。産休・育休を経て、CLOVER Lightの立ち上げ、記事の企画・執筆を務める。現在、社内システム開発PJに携わりながら、アジャイル開発スクラムを勉強中。Scrum Alliance認定スクラムマスター(CSM)、アドバンスド認定スクラムマスター(A-CSM)、Outsystems Delivery Specialist保有。(2023年12月時点)