第3回の今回は、いよいよ開催当日!グループカンファレンスはお昼の12:00開場だったため、8~9時より集まった運営チーム。記事前半に準備から開催終了までの当日の様子を、後半で運営チームの振り返りで出た「うまくいったこと、よかったこと」「問題だったこと、改善したいこと」「次回挑戦したいこと」をご紹介します。
迎えた当日、午前中の準備に手間取りバタバタに
当日、グループカンファレンスの開催はお昼の12時開場・受付開始、12時半開始、17時15分終了というスケジュールだったため、午前9時から準備を開始しました。リアル会場(LTSが入る新宿御苑にあるビルの2F、3F、4F、7Fを使用)とオンライン会場(オンラインイベントツールRemoを使用)の2つを会場としました。
上記スケジュールの通り、約2時間の準備を終え、1時間の休憩をとる予定でした。しかし、実際に準備を進めてみると、部屋の配置を把握し機材をセッティングしたり、消毒や席の間隔をあけるなどの感染対策を実施したりしていると、大幅に時間を超過し休憩の時間を取ることができませんでした。
実は、開催前日から掲示物や機材の準備をしていましたが、実際の講演部屋は業務に使用されており会場づくりには着手できていませんでした。前日に準備が完了しているのが安全だと感じ、この点は次回以降の運営に活かせたらと考えています。
大きな問題もなく終えられた要因3つ
準備の時間を大幅に超過し、そのまま開場を迎えてしまいましたが、グループカンファレンスの開催自体は特に大きな問題もなく終えることができました。その要因として考えたことを、3つほど共有したいと思います。
インシデント対応、問合せ対応
当日の「もしも」の時のために、インシデント対応表、問合せ対応表を作成しました。インシデントとは、重大な事件・事故につながる恐れのあるミスや不具合のこと、と定義されています。ここでは、米国NIST(国立標準技術研究所)のサイバーセキュリティフレームワーク(下記資料)を活用して、1~3を検討しました。
- どんなケースがあるか洗い出す(特定)
- 想定されるケースを防ぐために何をするか検討する(防御)
- 想定されるケースが起こってしまったらどのように対応するか検討する(対応・復旧)
「講演が遅延している」「講演者の音声が入らない」といった発生可能性の高いトラブルから、「エレベータでトラブルが発生した」「地震/火事/火災/洪水が起きた」「急病人が出た」「不審な人物が侵入してきた」といった発生可能性は低いけれど、起きてしまったら重大な事故につながるものまで、幅広く洗い出します。さらに検討していく中で、発生可能性・発生場所・カテゴリで分類し、よくある問合せも加えます。
グループカンファレンスの運営を初めて経験するメンバーも多く、「起こりうることの洗い出し」は大変な作業でした。また、「起こらないようにどうするか」を考えながら新しく出てきたタスクもありました。それらについては、各チームと連携して対策・対応をお願いしました。
「もしものこと」を考えるのは決して楽しい作業ではありませんが、このインシデントレスポンス表を当日の準備の際に印刷して各メンバーに渡し共通認識を形成した結果として、安心材料となり保険のような役割でスムーズな運営ができたのではないかと考えています。
オンラインツールRemoのデモ会
今回、現地だけでなくオンラインからの参加も可能とするハイブリッド開催だったため、オンラインイベントツールRemoを活用しました。運営チームも初めて使うツールでしたので、様々な検証の実施や手順書の作成を実施しました。その他にも、5回にわたり運営チームが開催するデモ会を、さらに5回無人のデモ会場を開放するなど、計10回のデモ会を開催しました。また、デモ会で出てきた質問をQ&Aとしてまとめ、手順書とともに事前に参加者のみなさまへ展開しました。
そもそも、なぜRemoを選んだのか簡単に補足します。第1回の開催ではoViceを活用しましたが、今回は開催要件とコミュニケーション要件に照らし合わせ、一番ニーズ・予算に合っているものを選定しました。
実際に使ってみて、運営面での改善点も挙がったものの、総合的には参加者からの評判もよく、開催後もツールを使ってみたいという声もありました。
フリーで動ける運営メンバーの確保
運営チームは22名いましたが、当日リアル会場に12名、オンライン会場に4名、の配置となりました。講演の部屋は全部で5部屋あったため、各部屋2名ずつ、そしてフリーで動けるメンバーを2名配置しました。各部屋2名の配置で十分だと思われるかもしれませんが、以下のようなTo-doをこなす必要があり、とても手が回らない場面もありました。
【受付@現地会場】
・開場
・受付(名前の確認、体温の計測、消毒の依頼、感染対策証明書の確認、名札の配布、記念品の配布)
【講演の間@現地会場】
・別会場への移動導線の案内
・机、椅子などの消毒、喚起
・次の講演者の機材チェック
【講演の間@オンライン】
・録画設定
・画面の投影、音声の調整
・タイムキーパー
・ファシリテーション、質疑応答
そのため、「配布用の名札ケースが不足している」「画面トラブル・音声トラブルがある」といった2名では対応できない事象が発生した際には、フリーのメンバーと連携し必要に応じて各部屋にサポートに行ける体制を作りました。連携には社用携帯や、社内SNSを通じて、リアルタイムに情報を共有できる体制も準備していました。
一方で、オンライン会場のメンバーは物理的に離れていることもあり、タイムリーな連携ができるか懸念していましたが、事前に電話で連絡する旨を共有しておくことで、「〇〇という問い合わせがあった」「プレゼンテーションモードがOFFになっていない」「アナウンス内容を確認したい」といった運営上のやりとりもオンライン⇔現地会場でタイムリーに実施できました。
うまくいったこと、よかったこと
ここからは、運営チームの振り返りの内容から気づきや反省点を共有します。
「無事に開催できた!」
トラブルらしいトラブルは見受けられなかった。とにかくみんなが元気に大きな問題もなく開催できてよかった。
設営遅れや出席キャンセルなどなく各講演が予定通り実施出来たこと。
とにかく、大きなトラブルもなく、無事に開催できたことが一番のGood Pointでした!
「喜んでもらえた、楽しんでもらえた!」
来場者同士での交流が目に見えて活発だったこと、および個人的にも色々な方と今回の機会でお話しできたこと。
来場した方々が皆さん終始楽しそうにしていたこと。掲示物やロゴデザインなど、かわいいねとのお声をいただいたこと。
当日の参加者した方々の笑顔は、マスク越しでもわかるとても素敵なものでした。「本当に久しぶり!」「え?!実際に会うのは初めて?!」「グループカンファレンス、文化祭みたいで楽しいですね!」といった声も聞かれ、参加者同士が対面で交流している姿は心に沁みるものがありました。このようなご時世だからこそ、対面で合えることの喜び…のようなものがあったようです。
また、リモートワークが主流になってから部門やサービスチーム間に見えない壁のようなものができてしまい、向こう側の活動や様子が見えにくくなっていたように思います。グループカンファレンスではチームや部門、さらには会社の枠を超えた事例・研究内容の共有にとどまらず、コミュニケーションを活性化させることも目的の一つだったため、実際に参加した方々の嬉しそうな笑顔が、運営チームにとって「やってよかったな」と思える瞬間の一つだったのかもしれません。
問題だったこと、改善したいこと
「当日バタバタした」
当日の設営、準備はバタバタしていたので、可能であれば前日から準備して余裕を持ちたい。
会場設営図をよく読み、一度は会場を下見しておけばよかった(スクリーンの位置に苦労した)
運営チームの当日の負担が大きかったこと(みんな腹ペコになってた!笑)。
当日会場の設営に時間がかかった一つの原因としては、運営チームの中には現地会場である新宿御苑オフィスの配置をあまり知らなかったことが挙げられました。普段、リモートワークや客先常駐という形態で働いている人が運営チームの約半数を占めており、「何がどこにあるか把握するのに時間がかかった」「会場の下見をしておきたかった」などの反省点があり、次回以降は開催前日から準備・リハーサルすることも視野に入れてよいのではと考えています。
「オンラインイベントツールを用いた画面の投影には課題が残る」
Remoの投影についても、直前確認まで迷っていた状態だったので、機材セッティングのマニュアルは必要に応じて準備できるとよいかもしれない。
資料の投影方法はバタバタしていた。また、ファシリをするうえでも可能であれば内容を把握したうえで会場を運営したい。
講演者のPCによっては、画面投影が上手くできない(HDMIの接触の問題?)、スピーカーから音が出ない等のトラブルがあった。発表用のPCなどを用意できると安心できる。
今回、ハイブリッド開催ということもあり、オンライン・リアルの環境を整えること、両方の会場で講演者及び質疑応答の画面・音声が問題なく通じていることを確認していましたが、それでもPCの個体差や様々な状況から、講演者の画面がうまく投影できない、オンライン側から音声が聞き取りづらい、といったことがありました。
対策としては、事前に準備していたスクリーンやプロジェクターのほかにも、ハイブリッド開催には講演者用のマイク、会場用スピーカーがある方がベターかと思いました。そして、PCの個体差による機材トラブルを少なくするために、運営用のPCを配置するのも選択肢としてあると考えています。
次回挑戦したいこと
「オンライン、リアル会場の温度差を解消したい!」
オンライン参加者は、大勢いるものの基本聴いているだけになってしまう。運営側でオンラインのチャットを講演中書き込むなど、上手くオンラインも盛り上げられるとより楽しめそう。
もっと参加者同士がお話できるような場にしたい(内輪で盛り上がっていることが多く、初めての人と交流!みたいなのは少なかったかも…オンライン・リアル共に)
「次回はここをよりよくしたい!」
もっとリラックスコンテンツを作っても面白そうだなと思いました~。結構お堅い発表多めだったので、もっとうちの会社って楽しいな!と思ってもらえるようなコンテンツもできるといいなと思いました!
(難しいが、)インカムなどでもう少し円滑かつリアルタイムに情報共有!
通して経験できたので、次回開催の際にTo-doをしっかり洗い出したい。
よかったこと、課題だったこと、それぞれあるものの、それらを踏まえて次回以降の開催ではオンラインと現地会場の温度差を解消すること、よりリラックスできるコンテンツを設けること、運営チームの連携を強化することなどが挙げられました。
さて、第3回はここまでです。第4回では、開催後の振り返りの様子をお伝えします。最後までお読みいただきありがとうございました。
ライター
自動車部品メーカーにて、グローバルで統一された品質管理の仕組みの構築・定着化を支援。産休・育休を経て、CLOVER Lightの立ち上げ、記事の企画・執筆を務める。現在、社内システム開発PJに携わりながら、アジャイル開発スクラムを勉強中。Scrum Alliance認定スクラムマスター(CSM)、アドバンスド認定スクラムマスター(A-CSM)、Outsystems Delivery Specialist保有。(2023年12月時点)