「自分」を見つめ直す NLPを活用したグループコーチング

LTS働き方

執筆者

大山 あゆみ(LTS コンサルタント)
自動車部品メーカーにて、グローバルで統一された品質管理の仕組みの構築・定着化を支援。その後、RPAを活用したコンサルティングに従事。産休・育休を経て、CLOVER Lightの立ち上げに携わり、記事の企画・執筆を務める。現在、アジャイル開発スクラムについて勉強中。Scrum Alliance認定スクラムマスター(CSM)。

この記事ではLTSで実施された「NLP(神経言語プログラミング)をベースにしたグループコーチング」についてご紹介します。

そして、筆者がその第1期を受講して、気づいたことや学んだことを共有します。

スキルとマインドセットの集合体「NLP(神経言語プログラミング)」

まず「NLP(神経言語プログラミング)をベースにしたグループコーチング(以下、NLPグループコーチング)」についてご紹介する前に、NLPとグループコーチングについて簡単に触れたいと思います。

今回実施するグループコーチングのベースになっているのはNLP(神経言語プログラミング)です。NLPはNeuro-Linguistic Programmingの頭文字を取ったもので、日本語訳は「神経言語プログラミング」です。1970年代にアメリカで発祥した心理学をベースとした学問で、人間の脳・体・感情のつながりの仕組みから、コミュニケーションスキル、目標達成の法則など、人生全般に応用できるスキルとマインドセットの集合体のようなものです。

NLPの中で、人間の経験は五感を通して作られ、記憶されると言われています。五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚で、これらをNLPでは「代表システム」と呼び、視覚(V:Visual)・聴覚(A:Auditory)・体感覚(味覚・嗅覚・触覚)(K:Kenesthetic)として扱います。

資料1:NLP代表システム(筆者作成)

例えば、道端に咲いている花を見て(視覚)綺麗だなと思う時には「視覚」を使っていますし、音楽を聴いて(聴覚)わくわくした(体感覚)時には「聴覚」と「体感覚」を使っています。人間はそれぞれ、VAKで外界のいろいろなものを見たり、聞いたり、感じたりして体験をつくっています。※1

※1 千葉英介著、『NLP理論』明日香出版社、2006年、p.14-20

そして、その人がどんな時に心を動かされ感動するのかを言語化するために、一つの体験に対して、感情と思考と行動の三つに区別して言語化することがポイントになります。例えば、一つの体験に対して「あなたは何を感じたのか、どんな気持ちだったのか」「何を考えたのか」「どういう行動をしたのか」を分けて考えます。

今回のNLPグループコーチングでは、自分は何が好きで、何があまり好きではなく、どんな環境が居心地よく、居心地よくないのか、どんなことで感情が良い方へ動き、悪い方へ動くのかなど「自分」に関することを深く考えます。みなさんはこれらの質問に対して、すぐに回答できるでしょうか。

その人の中にある答えを引き出す手法「コーチング」

次に、グループコーチングについて簡単に触れたいと思います。

日本コーチ運営※2によると、コーチングとは「答えはその人の中にある」という原則に基づき「答えを創り出す」サポートを行うこととされています。促進的アプローチや指導的アプローチなどがあり、本人の潜在能力に働きかけて最大限に力を発揮させ、学習や成長、変化を促すことを目的とした、能力開発法・育成方法論の仮説に基づいた手法の一つです。

※2 『一般社団法人日本コーチ連盟』、https://www.coachfederation.jp/

似たようなものにカウンセリングやティーチングがありますが、以下のような違いがあります。

カウンセリング:マイナスの気持ちの状態からゼロ地点へ、気持ちの改善をサポートする方法
コーチング:マイナスの気持ちの状態も「本人らしい状態」の一端としてとらえて、その気持ちを気づきや行動化に向けた切り口として活用できるようサポートする方法
ティーチング:知識や経験を多く持っている先達者が、後進の人たちの目標に向けて教え導いていく方法

資料2:カウンセリング、コーチング、ティーチングの違い(筆者作成)

今回のNLPグループコーチングでは、このコーチングをグループで行います。コーチングは1対1で行われるのが基本ですが、グループコーチングは1対多数で行われるもので、参加している人数分の気づきや学びが得られることがメリットとしてあります。

NLPグループコーチング概要

講師紹介

今回講師を務めるのは、LTSの青木夏海さんです。NLPの資格取得後、NLPをベースとしたコーチングを実践しながら学び、グループコーチングについては延べ50名以上の方にお受けいただいた実績をお持ちです。個人コーチングのセッション数は300を超え、一時期は副業として約2年間一般の方に提供されていました。これらの知識とスキルを、LTS社内に還元したいという思いで提案されたのが、今回の「NLPグループコーチング」です。

講師

青木 夏海(LTSグループ経営推進室)
システム導入PJで定着化を支援した後、新規事業立ち上げに係る。二度の産育休を経てIR業務に従事する傍ら、現在は社員のキャリア開発支援の取り組みとしてグループコーチングを開催している。全米NLP協会認定NLPマスターコーチ。

受講までの流れ

流れとしては、下記の流れを章毎に繰り返します(全5回)。

1:受講者はワークブック受領後、補足動画を視聴しながら書き込み、章毎に書き込んだページを画像で講師へ提出する。 ※グループコーチング1週間前までに提出
2:講師がキーワードをピックアップした画像を受講者に返却する。
3:受講者は、ピックアップされた言葉を確認した上で、グループコーチングに参加する。

資料3:NLPグループコーチング受講までの流れ(筆者作成)

NLPグループコーチングの目的

NLPグループコーチングでは「自分を知る」ことを目的としています。自分のことが今まで以上にわかってくると、感情に振り回されたり、出口のない思考のループにはまったりすることなく、自分をマネージできるようになります。これは、自分のメンタルと体を健康に保つことにもつながるため、忙しくて自分のことを考える時間がない方ほどおすすめです。自分を知るという作業は、言語化することから始まります。ワークブックへの書き込みとグループコーチングを通して、顕在意識と潜在意識を一致させる作業を進めます。

こんな人におすすめ

実際にLTS社内では、「こんな人におすすめ!」と参加者募集の案内がありました。

資料4:NLPグループコーチング こんな人におすすめ(筆者作成)

私は以下のような志望理由で参加申し込みさせていただき、第1期を受講するに至りました。

  • 育児を初めてもうすぐ三年半、自分のことを見つめる機会がなかったため、この機会を活用したい
  • 今後のキャリアややりたいことを諦めがちになっていたので、この機会を活用したい
  • 学生時代にNLPを学んでいたことがあったので、その内容を再確認したい
  • ハッピーな毎日を送れるように、その要素を自分の中から見つけたい
  • メディアCLOVERの記事作成で様々な人へ取材をする機会があるので、取材先の人にとってもその時間を充実させるために、まずは自分について理解を深めたい

学び①自分のご機嫌を自分で取る方法知る

ここからは、私の学びや気づきを紹介したいと思います。

毎回NLPグループコーチングの前にワークブックへの書き込みをするのですが、質問に答えながら「自分のことなのに考えたことも無いな…」と感じるところがとても多く、意外にも自分のことって知らないものなんだなと気づきました。

ワークブックに書いている私の「言葉」には、NLPのVAKのうちVの視覚に関するものが多く、自分は「視覚」が強い(優位)タイプの人間だと知りました。

視覚(Visual)の数値が高い方は、『見える』『見通しがいい』『明るい・暗い』『はっきりしている』など、視覚に関係している表現を使う傾向が見られます。話をしている時は、視覚イメージにアクセスしながら話をするため、目は上の方をみる動きをする場合が多いことも特徴の一つです。また、頭の中にあるイメージを表現するために、手を使ったボディーランゲージを使う傾向にもあります。

(引用:『NLP-JAPANラーニング・センター』https://www.nlpjapan.co.jp/visual.html

思い返してみると、良くも悪くも最終的には見た目で判断することが多かったり、部屋が整理整頓されていないとストレスになったり、物事を絵や写真で記憶していたり、あてはまることが多く驚きました。これを基に、自分は人間的に何にストレスを感じ、何でご機嫌になるか知ることができました。

これまで自分のご機嫌は自分でとっていたつもりでしたが、実際は全然取れていませんでした。ご機嫌取りのために買い物をしたり映画を観にいったりしても、物が散乱した家に帰るとご機嫌になれないところには、そういった理由がありました。

NLPグループコーチングの様子

学び②自分の地雷を知り、身を守る方法を知る

イラっとする瞬間は誰にでもあると思いますが、ではなぜイラっとして、どう対応したか、自分は同じことをしていないか、考えたことはありますか。アンガーマネジメントという言葉もありますが、私はあまり深く考えたことはありませんでした。

この機会に「自分がされると嫌なこと」「そのきっかけになった出来事」「自分の中で守るルール」「相手に期待しているもの」などを言語化し、自分の地雷を踏んでくる人にはどのように対応すべきか、そもそも地雷を踏まれないようにはどうしたらいいのか、考えることができました。

怒りはコントロールが難しく、自分がやりたいことの足かせになります。その足かせが何かを知ることで対策ができ、自分を守れる環境に身を置くことができるようになります。怒りはマイナスに捉えられがちですが、怒りすらも自分を知るチャンスだと学びました。

学び③それは本当にやりたいことなのか?と考える

自分が100%幸せで充実している!と言えるには、何が必要か考えたことはありますか。「時間があったら旅行に行きたいな~」「本当はこんな生活が送りたいな~」「あんな人になりたいな~」と、人それぞれだと思います。このNLPグループコーチングで使うワークブックには、理想の人生を考える章があります。

私は理想の人生を手に入れるために実現したいこととして6つくらい書き出しましたが、「これまでそれをやってこなかった理由」「その理由はどうしたら取り除くことができるか?」「そもそもなぜやりたいのか?」「それをやった先に何があるのか?」「その先で自分が得られるものや感じるものは何か?」を考えると、意外とそれらの大半はやりたいことではなかったという結論になりました。

自分がやってみたいと思うことに対して、そんなに深く考えていなかったからかもしれませんが、やってみたけど続かない、楽しみを感じられない、そういうことに対して、それはそもそも自分のやりたいことではないのではないか?と疑ったことも無かったので、新しい発見でした。

何事も続けられない…とマイナスに捉えていたことも、実は自分の得意なVAKを意識できていなかったのかも、そもそもやりたいことではないのかも、続け方が良くなかったかも、と「自分が悪い」と捉えなくなりました。

自分を良く知るということは、自分自身とうまく生きていくためにとても大切なことだと学びました。

講師コメント

「このまま突き進んでいいのかな」と思いながらも忙しく過ごしていると、自分と向き合う時間は意識して作らないとあっという間に時間が経ってしまいます。グループコーチングに参加いただくことで、事前課題に取り組む時間を含めてしっかり自分と向き合う時間となり、これまでにない気付きを得られていただけたのではと思っています。

“所属部門や役職関係なく個人として参加する場”としたことで、子会社含め普段あまり関わらないメンバー同士がフラットにコミュニケーションをとれる機会になったことも良かったことのひとつです。受講した後、得られた気付きを活かしてより良い日々を送ることができているというご報告をいくつかいただき大変嬉しく思っています。

今後も定期的にグループコーチングを開催して、社員のQOL向上に寄与したいと考えています。