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デジタルテクノロジー

DX時代に求められるAI/データサイエンス人材 データ分析サービス(後編)

こんにちは、LTSのデータ分析チームでサービスリーダーをしております坂内匠です。
前編では、過去10年(2011年~2021年)のAI/データサイエンス市場の主要イベントやトレンドを振り返りました。後編では、過去10年を踏まえた今後の課題や求められる人材、そしてLTSデータ分析チームが検討しているサービスをご紹介します。
坂内 匠(LTS データ分析事業部 部長、ME-Lab Japan代表取締役社長)

データ分析、AI開発領域の様々な業界のプロジェクトを担当。コンサルタントとして企画立案から、エンジニア・データサイエンティストとして分析の実装まで幅広く経験。気候変動対応に向けた企業変革支援や人工衛星を用いた災害モニタリング等の気候・環境系の案件や大学と連携した研究にも従事。国際ジャーナルへの論文執筆や学会発表も経験。(2024年6月時点)   ⇒プロフィールの詳細はこちら

過去10年のAI/データサイエンス市場の動向のまとめ

前編で紹介してきた内容を、①黎明期、②成長期、③実装期の時間軸で整理すると、画像1のようなタイムフレームになっています。

画像1:2011年~2021年のAI/データサイエンスの象徴的なイベントのまとめ

黎明期:民間企業にとってはまだ壁のある時代

2011年から2015年頃までは、AI/データサイエンスは一部の専門機関やスタートアップ企業を中心に扱っていた時期です。その間、要素技術が次々と登場し、社会やビジネス活用に対する期待も大きくなりました。しかし、民間企業にとってはまだ参入障壁・リスクが高い状況でした。

成長期:AIが身近になる一方で失敗の繰り返しや社会問題が起きた時代

2015年から2019年は、学習教材やツール、APIが普及していくにつれて、AI/データサイエンスがより身近なものへと発展していきました。AIが身近になる一方で、PoCの乱発により失敗するケースが散見されるPoC地獄や、倫理的な問題、セキュリティに関する社会問題が課題となりました。

実装期:社会実装の到来と一般向けの学習機会が普及した時代

2019年以降は、それらの諸問題を乗り越えつつ、ようやく社会実装の時期が到来しました。
また、前編のナレッジトピックでご紹介した通り、学習教材やツールの普及や大学機関の教育も充実し、今後は若手のAI/データサイエンス人材がさらに増加していくと見ています。

今後、市場に求められる人材と課題感

今後の市場の課題感や人材のニーズについて、技術開発と技術活用の2つの側面で考えています。

技術開発:若手人材の増加による人材市場の偏りとマネジメント側の課題

画像2の左側の図は、要件の汎用性と技術的な難易度の軸で整理した今後の動向(仮説)です。

要件の汎用性が高く、技術的な難易度の低い領域では、ツールや学習機会の充実により若手人材が増加していくため、競争が激化していくと考えられます。

一方で、企業の競争力につながるコアプロセスへのAI適用は、汎用性が低く技術的にも高い専門性が必要であるため、引き続き人材不足が続くと考えられる領域です。

また最近では、若手データサイエンス人材のマネジメントについての課題をよく耳にするようになりました。

若手AI/データサイエンス人材が増加する一方で、まだ経験の浅い人材が多いため、経験不足を補うために、どのようにマネジメントしていけばデータ活用が経営の価値としてつながっていくのか、といったところで多くの企業に課題があるようです。

具体的には、コード設計や開発管理・運用設計、MLOps、レポーティング、品質管理といった領域でデータサイエンティストのマネジメントのニーズが発生しています、

最近LTSにも、これらの課題を組織としてどのように基盤を整えていくべきかという相談が来ています。こういった課題は、今後も若手人材が増加していくにつれて、より顕在化していくニーズだと考えています

画像2:AI/データサイエンスとの今後の動向(仮説)

技術活用:技術とビジネスの通訳やAI/DS+αの能力が求められる

そして、画像2の右側の図は、ドメイン理解と専門性を軸に整理した今後の動向(仮説)です。

技術活用に関しては、結局AIで何をするのか、事業活動でデータをどのように活用していけばいいのか分からない、という悩みが引き続きあります。

このような状況から、AI/データサイエンス技術とビジネスをつなぐ人材は引き続き人材不足になると考えています。コンサルタントやTech translatorと言われる、ビジネスとエンジニアリングの通訳を担う職種は引き続きニーズがあるのではないかと思います。

また、社会実装/実務適用が近づくにつれて、ピンポイントに単体機能を持つAI開発の要求から、今後はもう少し複合的な能力が求められるようになるのではないかと考えています。

例えば、AI/データサイエンスの知識がありつつ、UXやインフラ、法務やセキュリティといった隣接の業務領域も理解して、両者の組み合わせができる“AI/DS(データサイエンス) & ”X””人材が活躍していくのではないかと思います。

今後LTSのデータ分析チームが目指す領域

このようなマーケット動向や市場の仮説を立てた上で、LTSのデータ分析チームで、今後取り組んでいきたい領域を画像3にマッピングしました。

画像3:市場動向を踏まえたLTSのデータ分析チームのサービスの方向性

需要も魅力も多いデータ分析/PoC支援

データ分析やPoC支援は既にLTSのサービスとして提供していますが、顕在的なニーズが多い、案件ごとにさまざまなデータやドメイン知識を扱うことができる、経験の場としても学びがあるなど、魅力的な領域ですので、今後も引き続きサービス展開していきます。

成長を目指す衛星データ解析と最適化AI開発

特殊性の高い領域は今後ニーズが増加していくと考えているため、データの特殊性が高い衛星データ解析や、アルゴリズムの特殊性が高い企業独自の業務プロセスを加味した最適化AI開発領域は、今後さらに挑戦していきたいです。

※最適化AI開発
AIによる自動棚割りアルゴリズムを使った実証実験のプレスリリースはこちらからご覧いただけます。
https://lt-s.jp/news/pressrelease/2021-07-27

データ活用支援のさらなる拡大・強化

企業内のデータ活用支援は、データ整備から教育・研修、制度・組織設計まで幅の広い領域であり、多くの企業で活用余地のある取り組みです。これまでは一部のお客様向け支援をしていますが、今後はデータ活用組織の在り方やAI/データサイエンスのマネジメント設計まで拡大したご支援をしていくコンサルティングサービスも強化していきたいと考えています。

+αの専門領域を組み合わせたご支援

そして、現在注目しているのはUXの観点です。AI/データサイエンスの技術は比較的飽和状態となってきていますので、今後はデータをどう活用していくのかというフェーズに入ってくるのではないかと考えています。そこで、DS & UXの組み合わせが非常に重要になってくると考えています。

また、金融も専門性が高い領域で、かつLTSには金融・会計の専門的な資格を持つDS人材がいますので、DS & 金融も今後取り組んでいく領域として検討しています。

本コラムはこれで終わりになりますが、各サービス領域についてもう少し具体的な説明が気になる方は、ぜひLTSのお問い合わせフォームよりご連絡ください。

CLOVERでは、データ分析に関する他の記事もございますので、ぜひ以下のリンクよりお読みいただけますと幸いです。


エディター

Yuno(LTS CLOVER編集部員)

CLOVER編集部員。メディアの立ち上げから携わり、現在は運営と運用・管理を担当。SIerでSE、社会教育団体で出版・編集業務を経験し、現在はLTSマーケティングGに所属。趣味は自然観賞、旅行、グルメ、和装。(2021年6月時点)