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LTSのリファラル採用 リファラルアワード2022開催レポート

LTSでは社員採用の手段の一つとしてリファラル(社員による紹介型)の採用を行っています。今回の記事は、2022年のリファラル採用に貢献した社員を表彰する社内イベント「リファラルアワード2022」の様子を紹介しつつ、多くの企業で試行錯誤されているリファラルの有り方について考えてみます。

リファラル採用とは

現在では「リファラル」と呼ばれますが、紹介型の採用は昔から存在しています。
最近ではあまり見られませんが、いわゆる裏口的なルートとして「役職者の社員の血縁者を採用する」こともあった縁故採用から始まり、採用手法や採用市場が変化していく中で、現在の一般的なリファラルである「金銭的な報酬・インセンティブで社員を動かす」社員紹介型採用に至っています。

LTSのリファラル採用

LTSが現在の「リファラル採用制度」の基になる取り組みをスタートしたのは2019年頃でした。

当時の制度は、紹介した社員と入社した社員に対する入社インセンティブ(報酬)だけが存在している状態で、制度は認知されておらず活用する人も少ない状況でした。
認知が低い状況の背景・原因を考えてみると、いくつもの「ない」が重なっていることが見えてきました。

「何のためにリファラル採用をするのか?分からない」
「リファラルで何をすればいいのか分からない」
「一緒にリファラルを進める仲間がいない」などなど。。

そこでコンセプトから作り直し、やることを決めて再開したのが現在のリファラル採用制度です。

「友人のキャリアを一緒に考えたい」その可能性のひとつとしてのリファラル

これまでのように「血縁だから」「たまたまスキルマッチする人を見つけたから」といった縁故や紹介型の採用から、新たに「ネットワーク採用」を目指して再設計しました。
ネットワーク採用も「紹介」であることは変わりませんが、継続的につながりがある知人・友人といった既存の関係性の中で状況に応じて機会を紹介するというコンセプトとしています。

従来のリファラル採用は、紹介の動機付けが「インセンティブがあるから」「誰かを紹介しないといけないというプレッシャー」といった外発的なものでした。ですが、そもそも「紹介」とは一定の信頼関係がある相手との間で、内発的な善意や好意を基にして行われるほうが自然です。そうであれば、もともと自分の近くにいる友人・知人のキャリアを一緒に考えたり相談に乗ったりする中で「自分の会社の話をしてもいいかも」と思える瞬間からスタートするのが、無理なく参加できるリファラルなのではないでしょうか。

もし結果的に自社への入社につながれば一番ですが、それよりも誰かのキャリアを考える助けになることのほうが価値があると思っています。別のキャリアを選択することになっても、自社への入社や採用という枠だけではない関係ができるかもしれません。

ネットワーク型リファラル採用の展開

LTSでは、2021年3月から新しいリファラル採用の展開をスタートしました。従来から行っていた制度の説明と求める人材像の紹介に加えて、定期的なリファラル関連のニュース配信やリファラル経験者の声の紹介など、情報発信を増やしました。
また、相談窓口の設置や社外の人との会食費用の補助制度を新設し紹介する、紹介システムを導入してプロセスを自動化するなど、リファラルの活動を始めやすい環境作りも進めてきました。
結果として、リファラル採用に率先して自ら動いてくれるアクティブ層の可視化に成功し、この層が集中的にリファラルをけん引しています。

リファラルアワード2022レポート:リファラル採用の成果

ここからは、LTSオフィスで開催された「リファラルアワード」の様子をレポートします。

アワードでは、リファラル採用にすでに参加している社員、興味があるけれどまだ参加していない社員が集まり、これまでのリファラル採用を振り返り、特に活動に貢献したメンバーを表彰しました。また、今後のリファラル採用に向けたセッションや交流の時間を通じて、今後さらに進化したリファラル採用ができるように皆で意見を出し合いました。

リファラル採用の成果

新しくネットワーク型のリファラル採用をスタートしてからの成果として、採用数は以前に比べて4倍、応募数(紹介したレジュメの人数)は7倍となりました。
結果として、採用エージェントを使ったキャリア採用と比較すると大幅なコスト削減も達成しています。
何より、リファラル採用に関心を持つ社員が増えているのが一番の成果かもしれません。
そして、アワードでは以下の4つの部門で、リファラル採用に協力した社員を表彰しました。

  • ベストキャリアアドバイザー部門:知人・友人等のキャリアに対して親身になって相談にのり、あらゆる可能性を一緒に検討した社員。
  • スペシャルタレント部門:職種やエリア等の苦戦する市場において最も市場にいない人を紹介した社員
  • エンゲージメント部門:チームとしてリファラル採用活動に取り組み、活動を通して周囲をも活発化させたチームや部門
  • ベストリレー部門:社内のタレントを自らの意思でつなぎ、最高のリレーでLTSのファンづくりを行ったチームや部門

今回は、ダブル受賞を含めて2名と1チームが表彰されました。

リファラル採用をよりよくするための意見

最後に、リファラルアワードのイベントに参加した社員から出てきた「よりよいリファラル採用のための意見」を紹介します。

リファラル採用の課題は何だと思いますか?

  • どうやって紹介すればよいか分からない。
  • そもそも紹介したいと思える会社になる。既存の従業員の満足度を高めないと入りたい会社にはならない。
  • 軽いきっかけでも紹介してよいことを周知する
  • 仲間作りが事業作りの一環であるという文化作り
  • リモートワークの加速により、参加しているプロジェクトへの所属意識が強まる一方で、会社への帰属意識が薄れる傾向にあり、LTSを紹介したいという意欲につながりにくい
  • LTSの知名度が低い。

リファラル採用の課題を解決するためにはどんな施策が必要だと思いますか?

  • 地道な啓蒙活動
  • 従業員満足度を上げること(業務量/業務時間の適正化)
  • 募集ポジションの周知。ポジションの告知があると該当人材がいないか考えるきっかけになる
  • 知人へ会社を紹介、説明する心理的ハードルを減らす。 例として、社内メンバーでLTSを紹介し合うリハーサルの実施
  • 各事業部がリファラルに本気で取り組む想定をもち、各事業部の部門会などであらためてリファラル制度や部署として取り組む背景を共有する
  • 仕事だけではなくイベントなどに参加できるなど仕事 以外の人となりを知れる施策があると良いです。
  • 収益を伸ばすためには仲間を増やすことが最重要、という意識をもってもらう

金銭的なインセンティブは必要なのか?

一般的にリファラル採用では金銭的なインセンティブを設定することで、社員が積極的に自身の周囲の人を推薦する、とされています。

しかし同時に、インセンティブの金銭的報酬を優先した紹介による会社や候補者それぞれの満足度の低下も発生するため、適切なルールを含めた制度設計が必要です。

LTSで現在実施しているリファラル採用は、金銭的インセンティブ中心の発想から、自身の友人・知人の役に立ちたいという考えをベースとした活動に変化して、可能性のある人との会食費用の補助や、採用チームが早期に関与する支援体制を中心とした制度となっています。

いまのところ、新しい制度に変更した後のほうがリファラルでの採用件数は増えていますが、今後もどのようなやり方が、採用したい企業とキャリア形成したい個人のそれぞれにとって最適であるかを模索しながらリファラルの活動を進めていくことになると思います。

リファラルアワード参加メンバー

リファラル採用・キャリア採用リーダー

細川 博史(LTS ビジネスマネジメント本部 人事部 中途採用グループ長)

製薬、人事総合ソリューション企業を経て、LTSに入社。中長期を見据えた、採用戦略及び実行を推進。現在は人事部門運営やチームのマネジメントと並行し、採用ブランディング強化を担当。MBA保有。(2021年12月時点)


ライター

忰田 雄也(LTS マーケティング&セールス部 部長代行)

SE・テクニカルライターを経て、LTS入社。ERP導入や業務改革におけるユーザー向け広報・教育企画および業務文書改善など組織コミュニケーションに関連するコンサルティングに従事。2017年よりLTSコンサルティング事業のマーケティングを担当。2021年より本サイト「CLOVER Light」の立ち上げ~運営・編集長を務める。(2024年1月時点)