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デジタルテクノロジー

IT業界全体のつながりを作る LTSリンクの挑戦

2022年10月から「株式会社アサインナビ」は「株式会社エル・ティー・エス リンク」に社名を変更し、あわせて社長・副社長も新体制となりました。今回は新たに社長に就任した髙倉さんと副社長の神田さんにLTSリンクのこれまでと、この先に目指していくIT業界の変化や展望について聞いてみました。
髙倉 敏行(LTSリンク 代表取締役社長)

銀行員からIT業界にキャリアチェンジし、マーケティングや事業立ち上げなどを経験、その後フリーランスでベンチャー支援に従事。横河レンタ・リースのCIOを経て2022年にLTSに参画。2022年10月からLTSリンク代表に就任。(2022年11月時点)  ⇒プロフィールの詳細はこちら

神田 礼(LTSリンク 副社長)

LTS新卒1期生として入社。ERP導入の定着化支援、マネジメント力向上プログラム、大規模BPOセンター立上げ支援など、組織変革支援プロジェクトに従事。2016年にアサインナビ参画、CX部責任者として会員向けサービス・イベントの企画・実行を務める。2019年に取締役、2022年10月からLTSリンク副社長に就任。(2022年11月時点) ⇒プロフィールの詳細はこちら

株式会社エル・ティー・エス リンク について

IT業界をアップデートするプラットフォームサービスを提供している。2022年10月のLTSグループオフィス移転とあわせて社名を「アサインナビ」から「LTS リンク」に変更した。

【アサインナビ】https://assign-navi.jp/
 IT業界のリアルな案件・人材情報が集い多くの出会いを生む日本最大級のマッチングサイト
【コンサルタントジョブ】https://consultant-jobs.jp/
 プロフェッショナルによる企業・自治体の課題解決支援サービス
【グロースカンパニークラブ】https://cs-clip.jp/
 自社・顧客・IT業界の成長を目指すIT企業向けの会員制コミュニティ

「IT業界を変えたい、ITを使いやすくしたい」が原動力

―――まずはLTSリンクの代表取締役社長となる髙倉さんにお聞きします。髙倉さんがLTSに入社したのは2022年の4月ですね。これまでのIT業界での経験を教えてください。

髙倉
はい、LTSは6社目になります。最初は銀行員からキャリアをスタートしましたが「ITをやりたい」と考えるようになってITベンチャーに転職し、営業からキャリアを開始し、自社製品のやマーケティングにも携わりました。2社目では、自社事業の店舗への来店促進や顧客・出資先でEC、Webマーケティング、事業立ち上げなどの経験を積みました。一度はフリーランスとして、ベンチャー企業の経営者を支援する立場で相談を受けて壁打ち相手をしたり、事業計画や営業の仕組み作りや品開発の手伝いをしたりもしています。

その後、データセンターの会社で経営トップ直下のポジションでグループ会社の立ち上げや事業支援、マーケティング部門の立ち上げやサービス開発、アライアンス、渉外活動など会社の仕組み作りも含め7~8年経験してから、現在はLTSで取締役会長を務めている金川さんに誘われて横河レンタ・リースに行きました。事業開発をやるはずでしたが、社内システムの立て直しをする必要がありCIOのポジションで6年間を過ごしました。

LTSリンク 社長 髙倉 敏行

なので、ベンダーサイドからユーザーサイドまでITを使ってビジネスをするとか、いろいろな企業と一緒にアライアンスのビジネスをやるとか、多方面でIT業界に関わらせてもらっています。そこが、私のキャリアとして特徴的なところかなと思っています。

―――LTSとはどのようにして出会ったのでしょうか?

髙倉
前職の横河レンタ・リースで基幹システム更改をやるときに、基本構想策定フェーズからLTSにコンサルに入ってもらいました。それをきっかけとしてLTSを知りまして、樺島さんとか上野さんとか、お付き合いをさせてもらいました。

私が前職を辞めると決めたタイミングで樺島さんから声をかけてもらいました。「アサインナビという会社をもっと大きくしていきたい」という樺島さんの話から始まり、神田さんも含めて色々な方とお話をさせてもらいました。「すごくよい人達で優秀な方たちが多いな」と感じたと同時に、事業としてもまだまだいろんな展開ができそうだなと。

IT業界については25年くらいの経験の中で「もっとIT業界を良くしたい、ちゃんとITを使いやすくして広めたい」と思ってきていたので、それが実現できそうだな、そういう想いもあってLTSにジョインをさせてもらってます。

―――ありがとうございます。では、LTSリンク副社長となる神田さんも簡単に自己紹介をお願いします。

神田
2008年のLTSコンサル新卒一期生で入社して以来、ずっとLTSグループにいます。コンサル時代は業務系・システム系から人材開発や教育系もやっているので、当時のLTSのサービスラインナップはほとんど経験させてもらっていますね。

「素晴らしい会社に入るより、素晴らしい会社を作っていこう」当時から今でもLTSが言っているメッセージで、すごく自分には魅力だと感じました。「会社を作ることに関わりたい」とすごく思っていたので、客先の仕事だけではなく社内の仕事もなるべく手を挙げるようにしていて、社内イベントの企画や運営をやったりとか10周年の時は事務局長を任せてもらったりとか、していますね。

LTSリンク 神田 礼

アサインナビには2016年からジョインしています。翌年の2017年にLTSが上場してアサインナビも黒字化を達成しましたが、メンバーが疲弊しながら走り抜けた結果だったので、ESの数値が下がったり退職者が出たりと厳しい時期でした。最初は「まず自分が結果を出せるように」と頑張っていましたが、途中で役員体制が変わり樺島さんが代表になったタイミングからは「自分がこの子会社をちゃんと育てていかなきゃいけない」という意識になりましたね。採用を中心にいろんな仕事に関わり、そうこうするうちに今に至っています。

ITプラットフォームサービスの可能性

―――「アサインナビ」というプラットフォームサービスにはどんな可能性を感じましたか?

髙倉
これまでのサービスの蓄積で多くのユーザーがいるのは、中立的にサービスを提供してきたことと、ニーズがあるところに対して場を作れてきたことが大きいと思います。

企業によっては「これまでアサインナビを使っていたけれど、上手くビジネスが軌道に乗って継続的に付き合う顧客やパートナーが見つかった」「SESから始めたがシステム開発など事業やサービスができてきて次のステージに進めた」などアサインナビを「卒業」するモデルがあります。

一方で、タイミングによってはアサインナビに戻ってくる企業もいます。今年の7、8月にBP(LTSリンクのビジネスプロデュース職)の新卒が配属された時に、研修も兼ねて最近アサインナビを使っていない会員企業に全員で電話をかけてもらったんです。そうしたら、サービス利用を再開してくれたり「連絡してくれてありがとう」と言ってもらえたりと、かなりの企業で関係性を構築し直せたんですよ。企業成長のフェーズによってはアサインナビを使わなくなる企業もありますが、嫌な思いをして離れているのではないことが多いんです。

コロナ禍で開催できていなかったリアルの交流会も30社くらいを上限にしているんですが、毎回すぐに席が埋まってしまいます。交流したい、新しいつながりを作りたいというニーズは確実にあるんです。

新規会員についてもプロモーションコストは元々あまりかけていないのですが、毎月数十の企業・フリーランスの方が入って来ています。これまで中立的な立場のプラットフォームという形態で着実にサービスを続けていたからこそ、できていることだと思います。

このリレーションをうまくつなげていければ、LTSグループとしても、集っているIT企業にしても、新しいビジネスを一緒に創っていけると感じています。

アサインナビからLTSリンク、案件ベースのマッチングからIT業界全体のコラボレーションへ

―――このタイミングで社名を「LTSリンク」に変えた背景を教えてください。

神田
もともとアサインナビは社名=サービス名の単一事業から始めましたが、ここ数年でアサインナビに加えてコンサルタントジョブ、グロースカンパニークラブの3つのサービスが立ち上がってきたことがきっかけですね。モードチェンジしていくために早めに会社の名前も変えたいと思っていましたが、世の中の情勢もあり何度か見送っているうちにこのタイミングになりました。

社名・経営体制・オフィスの変更と3つが同時になったのは、個々に準備してきたものがうまくこのタイミングに収束したのだと思います。規模的にも来期を待たずに100名体制になっていく時期なので「最初の創業フェーズが終わって次のフェーズに行くなら今だ」という感覚でした。

―――たしかに、最近一気に人数も増えて組織化されてきた印象がありますね。

神田
LTSのプロジェクトにプラットフォーム会員から最適な人員を出していく、というのはもちろん以前からあったんですが、その機会が増えてきたことと、LTSとLTSリンクとのコラボレーション案件も増えてきています。普段からLTSの営業会議や各サービス部門の会議にリンクのBPメンバーが参加して連携可能性を常に探っているんです。実際にLTSコンサルタントと肩を並べてLTSリンクのビジネスプロデューサーとして事業開発や企業成長支援などのプロジェクトに参加する機会も増えています。

これからのIT業界に必要な変化をサポートしていく

―――これからLTSリンクとしてやっていきたいことを教えてください。

神田
アサインナビという会社・サービスでもともと目指していたものは「IT業界の企業/個人の成長を支援するプラットフォーム」です。クラウドソーシングでITの仕事を探せる・協力会社を発掘できるマッチングだけではなく「ITビジネスにおける価値ある出会いをたくさん創出すること」に力を尽くしてきました。そのためには、規模を問わずにIT企業とエンドユーザーが適切にマッチングできること、IT企業だけではなく発注側のエンドユーザーのリテラシーも上げていくこと、などを含めた世界を実現することも視野に入れていました。

立ち上げ当初のアサインナビサイトに掲載していた「アサインナビの目指すもの」というメッセージがありましたが、当時から目指していることは変わっていないんです。

アサインナビの目指すもの(抜粋)

■コラボレーションプラットフォーム
私たちが焦点を当てているのは、IT業界のビジネスの現場において各プレーヤーの間で繰り広げられる活動そのものです。クラウドソーシングを通じて「お仕事を探す」「協力会社を発掘する」というビジネスマッチング事業は私たちがやりたいことのほんの一面に過ぎません。
(中略)
アサインナビは、フリーエンジニア(SE)やフリーコンサルタントをはじめとする、個人・法人のコンサル/IT業界のプレーヤー同士のコラボレーションを加速させ、実際にプロジェクトや業務提携が成功すること、つまり、IT業界の企業/個人の成長を支援するプラットフォームを目指しています。クラウドソーシングでビジネスマッチングの機会を提供するのは、その過程でしかないのです。

■価値ある出会いを創出
出会わないことには、コラボレーションも、その先の成長もありません。アサインナビは、まず「ITビジネスにおける価値ある出会いをたくさん創出すること」に力を尽くします。
(中略)
だから私たちは、すべてのIT企業、フリーのコンサルタントやエンジニア個人、その力を必要とするクライアント企業が無理なく参加し、安心して利用できるプラットフォームとして「アサインナビ」を創りました。クラウドソーシングという手段を通じ、どういう市況であっても一つでも多くの価値ある出会いを創るべく、最大限サポートしていきます。
(中略)

■よりよい業界へ
アサインナビが「価値ある出会いを多数生み出す場」「学びをオープンにシェアする場」として機能すれば、出会いと学びのコストは格段に下がり、そのスピードも劇的に向上します。大手であれ中小であれ、同じ土俵で挑戦できる環境さえ整えば、あとは知恵比べ、実力勝負なので言い訳はできず、よりよい競争/共創が生まれてくるはずです。機会の平等が進んだ先にある競争と共創。これこそが、健全な業界の姿なのではないでしょうか。 「アサインナビ」(https://assign-navi.jp/)をコンサル/IT業界のコラボレーションを加速する「プラットフォーム」として育てることで、業界全体がよりよくなることに貢献していきます。アサインナビを今後とも宜しくお願いいたします。

髙倉
前職でデータセンター事業をやっていた頃に、アマゾン(AWS)が入って来て業界の構造がある意味外圧によって急速かつ劇的に変わる状況を見てきました。同時に一気にIT技術のコモディティ化が進んで、スマホネイティブ世代も出てきて、誰でにとってもITが一気に身近になりました。

ビジネス的にも、ユーザーがもっとITを使っていく、IT活用を前提に業務を抜本的に変えていく必要があるという「DX」の流れも出てきました。この変化に従来からのIT企業とユーザーが対応できているかというと、まだまだできていません。

また、IT業界で働いている人の働き方も変わってきて、これまでは「IT企業」にフォーカスされていたものが「個人」や「サービス」に変化しています。フリーランスや副業という働き方の多様化、ユーザーが様々に活用できるサービスがある中で、それぞれをどう伸ばし活躍してもらえるか?という捉え方が、LTSリンクの考え方のベースになっていると思います。

また、今後数年で従来型のプロジェクトは減っていくと思っています。手法もアジャイルになってきていて、サービスやプラットフォームが様々なことをサポートしてくれる環境も整い、これまで相対的に技術的・知識的にエンドユーザーに不利だった状況が変わってきました。

今も各社で続いている基幹システムなどのレガシーシステム刷新の山を越えた先の世界がどうなっているかは楽しみです。

神田
IT業界の話をここまでしてきましたが、LTSグループ内を見てもグループ内をつなぐリンクとしてやっていきたいと思っています。LTSリンクはグループ間のプラットフォームでもあるし、そうありたいです。プラットフォームサービスはまだまだ規模が小さいですが、プロフェッショナルサービスと並べるくらいの事業を目指したいし、そういう事業が増えていくとよいなと思います。

髙倉
LTSリンクの事業推進によってLTSグループの「プラットフォーム」事業というものの定義が広げられるかなと思っています。これまでのプラットフォームサービスは、場や基盤といいながらも案件ベースのつながりがほとんどでした。それを事業レベルでつなげて広げていくことで、様々な企業やフリーランスの人達とのつながりも多様になり、点と点ではなく全体がつながったコミュニティ、市場全体に影響を与えるようなプラットフォームになっていくのが理想です。そこで、IT市場にとって次のビジネスの種が生まれるようになると思っています。


ライター

忰田 雄也(LTS マーケティング&セールス部 部長代行)

SE・テクニカルライターを経て、LTS入社。ERP導入や業務改革におけるユーザー向け広報・教育企画および業務文書改善など組織コミュニケーションに関連するコンサルティングに従事。2017年よりLTSコンサルティング事業のマーケティングを担当。2021年より本サイト「CLOVER Light」の立ち上げ~運営・編集長を務める。(2024年1月時点)