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ハイブリッド開催の意義と感染対策 リアル&オンライン社内イベント(企画編)

LTSでは、グループ会社間の相互理解・ナレッジ共有を目的とした「グループカンファレンス」を毎年秋ごろに開催しています。第1回は昨年2021年に開催され、第2回を2022年9月10日に実施しました。

この記事では、その企画・運営・開催を通して、プロジェクトとしての側面、ナレッジマネジメントとしての側面、チームビルディングとしての側面、イベントとしての側面など様々な角度から、気づいたことや学んだことを共有したいと思います。

記事の各回でお伝えしたいこと

はじめに、この記事は全4回でお届け予定です。「思ったより長いな」と思いましたか?執筆している私も、この記事の企画段階でそう思いました。しかし、それほど学びや気づきはたくさんあり、それらをみなさんに共有したいと考えています。

開催までのフェーズを以下のように切り分け、各フェーズの概要と、「うまくいったこと、よかったこと」「問題だったこと、改善したいこと」「次回挑戦したいこと」で開催後にふりかえった内容をご紹介します。

第1回:企画編~ハイブリッド開催の意義と感染対策~
第2回:準備編~各チームにとって一番いい進め方の模索~
第3回:当日編~何よりも嬉しかった参加者の笑顔~
第4回:番外編~振り返りの実施までが運営チームのゴール~

第1回の開催目的は、ナレッジ共有・ネットワーキングの促進

グループカンファレンスは、LTSグループ間の相互理解・ナレッジ共有を目的としたイベントで、グループ各社の社員による講演・パネルディスカッション・ワークショップなどを開催するものです。

コロナが猛威を振るい世の中の多くの企業がテレワークを推進していた2021年7月、LTSでは2019年9月に株式会社ワクトが2020年1月に株式会社イオトイジャパンが2020年11月には株式会社ソフテックが、LTSグループの仲間となり、より一層グループ間の結束を強めていこうとしていた時期でした。そのような背景の中で開催されたのが第1回LTSグループカンファレンスであり、開催趣旨は以下の通り検討されていました。

開催趣旨はグループ社員間のナレッジ共有・交流・ネットワーキングを促進することです。会社・部門の垣根を越えてグループ内の社員同士がつながり、それぞれが現場でサービス提供する中での学びを共有できたらと思いを込めて企画を進めています。

「自身の活動をグループ内で発信していきたい」「プロジェクトや研究活動の成果を伝えたい」「関心を持っているテーマについて語りたい」「グループ社員と意見交換がしたい」…など、伝えたいテーマをお持ちの方は是非ご応募ください!皆さまの発信した知が伝播してLTSという組織をより強くします!

(第1回LTSグループカンファレンス企画資料より抜粋)

もともとLTS社内では、2020年から事例共有会を月次(1~1.5時間程度)で開催しており、社員がそれぞれ携わるプロジェクトでの気づきや学びを事例とともに紹介する場を設けていました※1。そして、グループ会社が増えたことをきっかけに、その事例共有会の時間と規模を拡大し、ナレッジを交換する場として第1回グループカンファレンスが企画されました。

※1 LTS社内の事例共有会について、詳しくはまた別の機会にご紹介します…!実は、2022年8月開催で第30回を迎えているんです…!

以下は、第1回の開会式資料の一部です。グループ社員間のナレッジ共有・交流・ネットワーキングを促進することが一番の開催目的でした。そのため、「LTSグループのパブリック案件の今と未来」「データマネジメント構想・実行計画策定サービスの紹介」などのサービスに関する事例や、「Well-Being活動 〜はたらく再考「はたらく」って最⾼やん〜」「「⼈が育つ会社」を目指す、LTSの⼈財開発の考え⽅」といった社内での取り組みに関すること、また「採用活動関係者の協力を規定する要因は何か」「How AI can Help Business Reach its Sustainability Goals」といった研究の紹介など、幅広い講演が実施されました。詳しいLTSのナレッジマネジメント施策については、また別の記事でご紹介します!

資料:第1回グループカンファレンスの開会式資料

第1回は、2021年7月17日(土) 13:00~17:30、参加者は200名程度、バーチャルオフィスツールのoViceとオンライン会議ツールのzoomを使い完全オンラインで実施されました。この第1回はLTS大井さんと舩木さんが企画くださり、そして運営チームとして佐藤さん、重藤さん、大山が加わり、当日4つあった講演部屋の進行・タイムキーパーを担当しました。※2

※2 大井さん、重藤さん、が執筆されたCLOVER記事、舩木さん、佐藤さん、が登場されるCLOVER記事を、本記事の最後にご紹介しています。併せてご覧ください。
資料:第1回グループカンファレンス講演概要表紙

第1回開催後に行われたアンケートには、「モチベーションの高い方々の熱心なお話を伺い、やる気がみなぎりました!」「どんなプロジェクトがあり、どんな専門性を持っている人がいるのかが知ることができてよかった。」「これから数年先に向けて取り組んでいきたい課題が見えました。 ぜひ来年もお願いします!」「LTSグループの可能性を改めて強く感じました。」といったポジティブな声が多く寄せられました。

資料:第2回グループカンファレンス企画書より抜粋
資料:第2回グループカンファレンス企画書より抜粋

第2回グループカンファレンスの概要と開催形態

第2回グループカンファレンス企画検討を開始したのは、第1回開催の約半年後の2022年2月頃でした。今回の開催は前回主催の大井さんから大山が引き継ぎ、第1回のアンケート結果やLTSの決算資料などの情報をもとに企画を検討しました。

資料:第2回グループカンファレンス企画書より抜粋
資料:第2回グループカンファレンス企画書より抜粋

LTS 2021年12月期 第3四半期決算説明資料にありましたが、LTSグループが目指している姿は、以下2点です。

①グループのアセットを活用した顧客の開拓や案件の獲得で、人員を最適化し支援テーマを実現する
②グループ横断での案件デリバリを増やし、総合チームとしての価値提供をさらに推進する

そして、LTSグループを横断した案件の受注が増加しているという背景を踏まえ、今後も継続してこのグループシナジーの創出を目指すために、グループカンファレンスを活用いただければと考えました。この継続的なグループシナジーの創出を実現するためには、会社を横断した情報の共有や人間関係の構築の足掛かりとなるものが必要であり、それらを実現し目指す姿に近づくための取り組みの一つとして開催しました。

そのため、第2回グループカンファレンスの開催目的は「会社を横断した情報の共有」「会社を横断した人間関係の構築」としました。

資料:第2回グループカンファレンス企画書より抜粋
資料:第2回グループカンファレンス企画書より抜粋

そして、開催形式も完全オンラインだった第1回から、今回はハイブリット開催(リアル参加とオンライン参加の併用のこと)とすることとしました。開催形式は情勢も踏まえ検討しましたが、重要なのはそのイベントの目的を達成するためにベストな形式で開催できることだと思います。

今回、ハイブリッド開催とすることとした理由は、以下のようなものが挙げられました。

  • コロナの情勢について
    • コロナの情勢が昨年よりは落ち着いていること
    • 東京都よりイベント開催にあたっての感染対策指針があること
    • 対面で顔を合わせる機会が激減したこと
  • LTSグループ社員の居住地について
    • LTSの新宿御苑オフィスから離れたところに住む社員も多数いること
    • 第1回のアンケートにて半数の人がオンライン参加を希望していたこと
  • その他
    • LTSオフィスが新宿御苑前から赤坂に移転すること

リアル会場は東京都の定めるリストで感染対策

ハイブリッド開催にあたっては、コロナ感染対策が必須でした。では、何を基準に対策をやるのが良いのでしょうか。

今回は、順守すべき2つの大きな指針として「会社としての方針」と「東京都の方針」がありました。「会社としての方針」は「東京都の方針」をもとに作られたものであるため、まずは会社の方針を十分に満たしていること、さらに東京都の方針を満たしていること、の2段階で調整をしました。その結果、以下の3つの施策を実施しました。

1.国からの指針をベースとした社内の感染対策を遵守する

LTSには「新型コロナウイルス対策本部」が設置されています。基本的な考えは、以下の通りです。

社員の安全と健康を確保することが第一です。そのうえで、顧客に対するサービス提供の責任、会社としての事業継続性の維持、並びに公器として社会から求められる感染被害抑止に対する役割を、統合しながら全うしてきます。(中略)個別の業務やイベントについて、都度個別に判断しながら対応することが必要になると思われます。対応に困った時は、新型コロナウイルス対策本部にご相談ください。

(LTS社内ポータルに掲載の「基本的な考え方」より抜粋)

情勢によって変動はあるものの、第2回グループカンファレンスの企画段階ではLTS社内の規制は、「大規模(10名以上)な会議・セミナー・勉強会等は、マスク着用、ソーシャルディスタンス確保、換気励行等の対策を実施したうえで、オフラインも可」とされていました。そして、「大規模(5名以上)な会食は、ワクチン接種証明(最新の接種時期から6か月以内)、ないしは、PCR検査/抗原検査を条件として実施可(開催日の3日以内の検査結果が陰性)」としていました。そのため、その社内規制をベースに、以下2.3.を実施しました。

2.リアル参加する方へ感染対策をお願いする

感染対策は運営側だけが実施をしても十分ではなく、実際にイベントに参加する人にもご協力いただく必要があります。そのため、オフィスからリアル参加する方には、事前に以下のようなお願いをさせていただきました。当日の混乱を避けるために、事前に複数回ご案内することで、当日は大きな混乱もなく感染対策を実施することができました。

  • 事前申し込みを必須とする
  • 当日は不織布マスクの着用していただく
  • 当日は入場時の検温と手の消毒にご協力いただく
  • 当日の飲食は指定の部屋でのみ可能とする
  • 当日はワクチン接種証明(最新の接種時期から6か月以内)、ないしは、PCR検査/抗原検査の結果を提示していただく
資料:第2回グループカンファレンス企画書より抜粋

3.東京都の感染対策計画・チェックリストの活用

このような社内イベントの際に、感染対策は何から始めたらいいか分からないという方も多くいらっしゃると思います。その場合は、運営側の感染対策として東京都の「感染防止安全計画」「イベント開催時のチェックリスト」を参照することをお勧めします。開催前に検討しておくべきことは何か、準備しておくものは何か、どのような会場づくりをすると良いのかがチェックリスト形式でまとまっており、これに沿って会場設営をすることである程度の基準を満たした感染対策が可能になります。

上記1~3の実施、さらに定期的にLTSの新型コロナ対策本部と連携をすること、開催直前に情勢が変化しても完全オンラインに切り替えられるように準備をしました。のちの記事で運営チームが奮闘した様子もお伝えしますが、LTSの子会社エル・ティー・エス リンクでも、ここ数か月オンライン/オフライン/ハイブリッドのイベント開催の実績があり、そちらのノウハウもお借りすることができました。

感染対策に関する結果をお伝えすると、第2回グループカンファレンス開催後社内でのクラスター発生などの報告はありませんでした。これらは当日の感染対策の取り組みに対して、参加者のみなさまがご協力くださったことはもちろん、講演の間に机や椅子、ドアノブを消毒する、喚起をする、移動の導線確保など、運営チームの事前の対策・対応の賜物だと考えています。運営側、参加者側の両方で感染対策を実施する、これが一番重要なことだと実感しました。

開催までのスケジュールと、参加人数の把握

第2回グループカンファレンスの企画・準備・開催のスケジュールは以下の通り検討しました。

資料:第2回グループカンファレンス企画書より抜粋

社内への情報展開後、有志の運営メンバーが集まってから、開催までの準備期間は9月初旬の開催までの約2か月でした。LTS社内では同時並行でLTS20周年記念活動や、Family Dayなどのイベントも動いていたため、有志運営チームにどれくらいの人が手を挙げてくれるのかを懸念していましたが、実際には20名が集まりました。

約2か月という期間が準備をするのに長いか短いかと考えたとき、実際に走り出してみるととても短く感じましたが、程よく志気を保つのに適度な期間だったと感じます。持っている2か月をどのように充実させるか、その中で最大のパフォーマンスを出すには何をすべきなのかを考えることが重要なのかもしれません。

そして運営チームメンバーの募集とともに、グループカンファレンスへ参加したい人の概数の把握も実施しました。ハイブリッド開催としていたため、参加希望者数が収容可能人数を超えないか、人と人の間に十分な間隔を保った会場設営が可能か、などの感染対策の観点での把握目的でアンケートを実施しました。実際に参加表明があったのは、45名の講演者と300名の参加者(聴講者)でした。そして、全体が350名程度の参加、うちリアルでの参加予定者が80名ほどでした。情勢の変化もあり、想像していたよりもリアル会場からの参加希望が多いことに驚きました。この集まった情報をもとに、開催までの準備に着手します。

さて、第1回はここまでです。第2回では、開催までの準備に運営チームが奮闘した様子をお伝えします。最後までお読みいただきありがとうございました。


ライター

大山 あゆみ(LTS コンサルタント)

自動車部品メーカーにて、グローバルで統一された品質管理の仕組みの構築・定着化を支援。産休・育休を経て、CLOVER Lightの立ち上げ、記事の企画・執筆を務める。現在、社内システム開発PJに携わりながら、アジャイル開発スクラムを勉強中。Scrum Alliance認定スクラムマスター(CSM)、アドバンスド認定スクラムマスター(A-CSM)、Outsystems Delivery Specialist保有。(2023年12月時点)