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リーダーシップ

キャリアや働き方を選べるITアウトソーシングチームを目指して

創業期からのメインクライアントの一つである矢崎グループ(以下、矢崎)様へのご支援をきっかけに立ち上がったLTSのITSMアウトソーシングサービス。このサービスを提供するITSM Outsourcing事業部は、ここ数年でその体制を変えています。今回は事業部長と、2022年12月まで第2グループで30名を超えるチームをマネジメントしてきた前グループ長にお話を伺いました。
漆畑 晃司(LTS ICTエンジニアリング本部 ITSM Outsourcing事業部 部長)

静岡県の地元採用一期生として、2008年にLTSに入社。大手自動車部品メーカー向けのシステム運用アウトソーシングチームの立ち上げと、同顧客の営業責任者を担当。現在は静岡事業の責任者としてエリア開拓と、RPA等のテクノロジー導入PJのPMを兼務している。(2021年10月時点) ⇒プロフィールの詳細はこちら

小林 博典(LTS ICTエンジニアリング本部 ITSM Outsourcing事業部 第3グループ マネージャー)

大手自動車部品メーカー向けの拠点サービスデスク立上げメンバーとして2013年にLTSに入社。2015年より同拠点の責任者として、拠点内の工場機能統合に貢献し、以降グループ長として愛知、広島を含む4拠点を担当。現在は静岡エリアの新規顧客獲得に向けて活動している。(2023年4月時点)

ITSMアウトソーシングサービス(ITSM:ITサービスマネジメントの略)
ITサービスマネジメントとは、ITシステムの提供を利用者の目的遂行を支援する「ITサービス」と捉え、その提供や運用、管理、改善などを組織的に行うこと。そのための体系化された仕組みを「ITサービスマネジメントシステム」(ITSMS)という。

30名を超える大規模組織ができるまで

小林
ITSM Outsourcing事業部(以下、ITSMO事業部)第2グループ(以下、G)は静岡の牧之原(矢崎様の国内にある最大規模の拠点)のご支援から始まりました。当初は、牧之原にあるいくつかの部門のサポートという形でしたが、徐々にサービスを提供する部門が拡大し、3・4年ほど前から牧之原にある全部門のサポートをするようになりました。

もともとはシステム運用の支援を主体にしていたのですが、IT運用企画や運用改善などの提案もするなど、お客様の悩み事を解決するという仕事を増やしてきました。そうすることで、別の拠点も見て欲しいという依頼につながり、豊田、名古屋、広島と、担当する拠点が広がっている感じですね。

漆畑
2017年以前、ITSMO事業部の組織は一つだけでしたが、牧之原でのサポート範囲の拡大や裾野(LTSが当時ご支援していた別の拠点)とお客様のニーズが違うということが起きはじめ、裾野を拠点とするプロジェクトを第1G、牧之原を拠点とするプロジェクトを第2Gと、拠点ごとにグループを分けました。その時、既に牧之原のメンバーは20名を超えるくらいになっていて、牧之原がさらに拡大する起点になったのがこのタイミングですね。

大人数拠点は業務をローテーションしながら、少人数拠点はオールラウンドに知識・技術を習得

小林
第2Gは、牧之原が28人、豊田が6人、名古屋が1人、広島が1人という編成になっています。やっている業務内容はどの拠点でも同じで、牧之原は人数が多いので5チームに分けて分担していて、他拠点は一つのチームで全部やっています。

漆畑
牧之原は人数が多いので、運用という一つのサービスの中で、それぞれオペレーションごとにチームを分けているんです。

小林
牧之原のチームごとに業務内容を簡単に説明すると、1つ目がヘルプデスクチーム。主に、お客様対応を主体とするチームで、現場のお客様から電話がかかってくるので、質問に答えたり、トラブルがあった時に対応したりしています。

2つ目がサーバーチームです。お客様のアカウントやアクセス権の作成・管理、サーバー側の処理やそれに関するトラブル対応など、サーバーに関する業務を一通り行うチームがあります。

3つ目がセットアップチームで、5年に1回の端末の置き換えや、新規に購入したパソコンを新規入場者が使用できるようにセットアップ全般を行うチームがあります。

4つ目が運用支援チーム。お客様が購入した端末を管理できる状態にして各チームに渡したり、現場で使用していた端末が古くなると、それを回収してレンタル返却や機器廃棄をしたりするチームがあります。

このチームは資産管理もしていて、パソコンの管理だけでなくライセンスや物品の管理など、また運用側での困り事の対応や、対応チームに迷う業務も運用支援チームで行います。

5つ目が技術支援チームです。お客様ではなく、私たちの作業管理のための運用管理システムがあるのですが、主にその運用をしています。加えて、他のチームで技術的に対応できなかったことや、お客様の企画業務、困りごとなどの相談に乗るといった対応をしています。


最終的には全部の業務ができて一人前になるので、牧之原の場合は、チームでの業務が一定レベルを越えたら、別のチームをローテーションして全部覚えてもらうという感じです。

小林

漆畑
チームの振り分けは、メンバーの得意不得意やメンバー間の相性などで決めていた感じですよね。

小林
そうですね。会話が好きで得意な人はヘルプデスクへ、技術面に特化していきたい人はサーバーチームへ、未経験の人はセットアップとか運用支援業務等、まずは得意不得意でチームを振り分けていました。メンバー間の相性もすごく重要だと思っているので、その辺りを考慮しながら、加えて本人のやりたいことをなるべく聞いて調整していました。

漆畑
メンバーを数カ月単位で入れ変えると品質的にも問題が出てくるし、メンバーも学びきれないので、少なくとも1年は一つのチームにという感じです。一つのチームに固定されている期間がそれなりにあるので、いわゆるIS(ITサポート)職として網羅的にスキルを身に付けるのは牧之原の場合少し時間がかかりますね。

対照的に、豊田や愛知、広島は少人数チームなので、一人一人オールラウンドに知識・技術を求められる難しさはある反面、教育や成長という観点では網羅的に知識を吸収できるんです。

キャリアや働き方も柔軟、採用も積極的に

小林
メンバーが多いとチーミングの観点では難しさがありますが、働き方は柔軟に対応できるかなと思います。家庭の都合で出社が遅くなってしまうといった場合でも臨機応変に対応できるので、ここ数年は女性社員も増えています。スケジュールを調整すればお子さんの都合で休むことも可能で、小さいお子さんを持つ方は働きやすいのかなと思いますね。

漆畑
男性も女性もフレックス制度を使いながらですけど、家庭の都合で一時期出社を遅らせたりとかもありましたよね。ある程度品質が担保できればチーム内で回せるので、これは牧之原の規模ならではですよね。

小林
また、基本的にはキャリア採用での入社ですが、経験の浅い状態からのスタートも多いので、業務をしながら覚えていける環境です。あとは、キャリアパスの選択肢もあります。運用の業務をやりつつ、徐々に難しい業務を覚えていくとコンサル系の仕事をしたいという人も出てきて、そういった場合は職種を変えて別の部署に異動するなど、自分のやりたい仕事に何年後かにシフトしていける環境があると思っています。

ただ採用には課題を感じていて、LTSという会社自体がこちらの地域では知られていません。場所だけの問題じゃなくて、普通コンサル企業なら比較対象もコンサル企業になると思いますが、第2Gの場合は、比較対象の会社が地場の小さい会社か派遣会社になるんですよ。

漆畑
100人を超えないようなベンダーさんや、大きい派遣会社さんが採用の競合ですね。

小林
そうですね。自分のこれまでの経験上、LTSっていい会社だと思っています。LTSに入りたいと思ってもらわないと人が増えていかないので、そういった意味で、第2Gの働きやすさやコンサルタントへのキャリアパスなどはアピールポイントになります。そういったところを、もう少し上手くアピールしていけるといいですよね。

グループの垣根を越えたチャレンジの場

漆畑
昨年末まで第2Gのグループ長でしたが、当時メンバーとはグループ拡大や顧客拡大について何か話はしていましたか?

漆畑(左)

小林
メンバーとは、まずは今の拠点の安定化と拡大という話をしていました。安定稼働とお客様のニーズを拾うというところでお客様ともコミュニケーションをしていたので、お客様からもこの拠点をやって欲しいといった話をいただいて拡大してきました。そこは、私だけでなくメンバーも動いてくれました。

あとは、今回私が第3Gに異動した背景にもつながりますが、2022年から新たに第3Gが立ち上がり新しいお客様を作っていく活動をしています。第2Gでも同じような活動はしていかないといけないのかなと感じていました。

結局これだけの人数が第2Gにはいるので、もし何らかの理由でメンバーのうち誰かの働く現場を変えたい時、すぐに代わりになるシステム運用の案件が見つかるわけではありません。そうなると、辞めて別の会社に行くという選択肢以外なくなるので、そうならないようにするには、色々なプロジェクト・お客様があって、何かあればアサイン先を変えればいいじゃない、という形になればいいかなと思っていました。

また、ほとんどのメンバーは矢崎様の仕事しか知らないので、それが自分にとっていいかどうかも分からない、他のお客様を見たら視野も広がるので、メンバーのローテーションができるようにしたいなと考えていたところ、漆畑さんとこういった話をする機会がありました。

漆畑
第2Gの安定化や拡大や、コンサルタント職へのキャリアパスなどももちろん重要ですが、これまでとは違う新規の顧客や新しいタイプのプロジェクトを生み出していくことも、中長期で事業を成長させていくうえで欠かせない要素と考えています。小林さんにはこれまでの第2Gでの経験を活かして第3Gで事業そのものの幅を広げていくチャレンジをお願いしました。

小林
私は第2Gのグループ長になってから今まで様々な業務にチャレンジしてきました。その中で課題に感じていたのは、前述したようにメンバーが新しくチャレンジする場が少ないということです。他にも、自分の経験が少なく弱い部分が、仕事を頂いてくるという営業の仕事でした。

今までは既存のお客様からの依頼や潜在的な課題点からの提案営業が主体でしたが、このスタイルでは新しい顧客は増えていかないし、ブランド力も上がりません。前々から誰かがやらなければこの状況は変わらないと考えている中で、異動の話を頂いたときは千載一遇のチャンスだと感じました。

システム運用は守りの仕事と言われますが、私は常に攻めを意識してきました。日々の繰り返しだけでは、いつかはその仕事がなくなってしまいます。また、どんどん新しいことにチャレンジすることで、可能性は広がります。その可能性を広げる仕事こそ今私たちにとって必要だと考えています。

今後は、ITSMO事業部と双璧をなすような新しい事業部の立ち上げにもチャレンジしていきたいです。メンバーにとって必要なのは、チャレンジできる場と、仕事ができる環境です。地道に日々業務を行っていきたい堅実なメンバーもいれば、どんどんチャレンジ出来る場が欲しいメンバーもいます。新しい業務にチャレンジしていく、例えばシステム運用企画のような既存の業務を理解しつつ、運用上課題についてどんどん提案をしていく、そんなチームを作っていけたら、次の大きな一歩になるのではと本気で考えています。


ライター

Yuno(LTS CLOVER編集部員)

CLOVER編集部員。メディアの立ち上げから携わり、現在は運営と運用・管理を担当。SIerでSE、社会教育団体で出版・編集業務を経験し、現在はLTSマーケティングGに所属。趣味は自然観賞、旅行、グルメ、和装。(2021年6月時点)