「現場に寄り添う」コンサルタントであり続ける 興味があった地方創生ビジネスへのサムネイル
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「現場に寄り添う」コンサルタントであり続ける 興味があった地方創生ビジネスへ

このシリーズでは、LTSを卒業したメンバーにお話を伺います。第1回はLTS卒業後、コンサルタントとしてパブリックセクター領域にチャレンジしている、伊賀泰佑さんにお話を伺いました。
伊賀 泰佑(総合系コンサルティングファーム 公共事業部門 マネージャー)

長崎県五島市出身。高校まで島育ち。2014年、LTSに入社。企業の情報システム部のPJ支援や基幹システムヘルプデスクのSVを経験。2017年、地方創生分野のチーム立ち上げに参画するため転職。現在は、自治体支援など地方創生分野の他、企業の中期経営計画策定やサステナビリティ戦略策定等に従事。(2021年11月時点)

大井 悠(LTS ビジネスアナリスト/マネージャー)

ビジネスアナリシス領域に強みを持ち、多数の業務プロセスに関わるプロジェクトに従事。自社の業務変革の企画・遂行にも従事している。(2021年6月時点)  ⇒プロフィールの詳細はこちら

政治家になりたかった学生時代

大井
大井

お久しぶりですね。
伊賀さんは2014年にLTSに新卒で入社され、2017年の10月に転職されましたよね。
この取材のご連絡をした際に、肩書を見て「マネージャー」としてご活躍されているのだ!と嬉しくなりました。

伊賀
伊賀

ありがとうございます。
LTS在籍が3年半、現職が4年になるので、歴としては現職のほうが長くなってきました。

大井
大井

なんだかあっという間ですね。
伊賀さんがLTSにいらっしゃったときは、静岡での案件に長らく携わっていたイメージです。LTSメンバーであれば、伊賀さん=静岡、と連想する人も多いと思います(笑)。

伊賀
伊賀

そうですね。当時のLTS静岡は、今よりも規模が小さかったと思いますが、お客様の情報システム部を支援する案件を担当していました。
お客様と要件定義をして、うちの…あ、うちではなかった、LTSの(笑)メンバーにタスクを割り当てたり、運用メンバーのサポートをやったりしていました。

伊賀
伊賀

あとは、大竹さんという、LTS創業以来お付き合いのある矢崎総業にいらっしゃった方のサポートなど。
その後、大手メーカーのSAPヘルプデスクで、運用周りのタスク整備をやって、その後自分もスーパーバイザーとしてヘルプデスクに入っていました。
参加したプロジェクトは複数ありましたが、お客様としては2社、担当させていただきました。

大井
大井

伊賀さんは五島列島のご出身で、地方創生をやりたいという想いを持っていらっしゃいましたよね。LTS社内で、地方創生に関する勉強会なども開催されていました。
そもそもLTSに入社したきっかけは、コンサルタントとして地方創生に携わりたいという想いがあったからですか?

伊賀
伊賀

学生時代は、政治家になりたいと思っていました。
大学時代も政治哲学を専攻していて、ゆくゆくは議員秘書を経験して、自分自身が選挙に出たいと思っていたことがありました。政治家にならないと、地方は変えられないと考えていたからです。

伊賀
伊賀

その中で、コンサルティング会社の方と出会って、コンサルって面白そうだなと思ったのがきっかけです。いろんな人たちのやりたいことや、目指すところを、黒子として支えるような存在…に惹かれて、コンサルティング会社を志望し始めました。
政治家になるよりも、ビジネスの側面で携わるほうが、より地方創生に携わることができると思いました。

大井
大井

そうなんですね。
コンサルティング会社の中でもLTSを選んでくださった理由としては、やはりベンチャーだからですか?

伊賀
伊賀

はい。コンサルティング会社の中で大手も受けました。
一方で、ベンチャー企業もいくつか受けていて、LTSはコンサルティング会社であり、ベンチャーであり、という企業でした。私が入社したころは、社員100名にも満たない規模でした。

伊賀
伊賀

入社した理由は、コンサルティング会社であることと、第二創業期であることでした。会社を作っていくというフェーズだったので、事業づくりに参画できるというところが大きかったかもしれません。
ちょうど、就活をしていた時期に、学生団体を立ち上げまして、LTSからは組織作りのヒントや、マインドなどが得られそうだなと感じていました。

LTS在籍中

LTSで培った「現場に寄り添う」マインドを持ち続ける

大井
大井

先ほどお話に挙がった地方創生が、今のキャリアでも実現できているとお聞きしました。
現在どんなお仕事をされているのですか?

伊賀
伊賀

はい、現職ではパブリックサービスを担当する、公共事業部門に所属しています。転職したタイミングで、地方創生をやりたくてチームを立ち上げに参画しました。
その後、民間企業の中期経営計画策定などにも携わりつつ、地方創生や自治体支援の分野でも、コンサルティングをやっています。

伊賀
伊賀

マネージャーという立ち位置ではありますが、現職にはプレイングマネージャーも多いので、プロジェクトを管理しつつ、手を動かしつつ、あとは営業もやっています。
規模は小さめで、自分とメンバー2人、それくらいの規模のプロジェクトを複数担当しています。

大井
大井

同じコンサルティング業界への転職ということで、現在のキャリアを築く中で、LTS在籍中の経験は役立っていますか?

伊賀
伊賀

LTSでの経験は、私の中で「コンサルタントの基礎」になっていると思っています。スキル面というよりは、マインド面が強いかなと。
LTSで私が担当していた案件が、特に「現場に近い」と言われていたので、LTSで大事にされている「現場に寄り添う」というスタンスは、今も自分の核としてあります。

伊賀
伊賀

今でも覚えているお客様からの言葉があって。
「コンサルにどんどん進めてもらうのはありがたい、しかし、自分が求めているのは自社の社員の成長なんです」とおっしゃっていて。
その時、入社1年目だった私は、コンサルは外から入って、お客様に無い自分たちの専門スキルを提供して、プロジェクトを先導して進めるものだと思っていました。

伊賀
伊賀

それもありつつ、それ以上にお客様が求めていることは、お客様企業・組織を成長させたい、コンサルにはその成長にコミットしてほしい、ということでした。
当時は本当に衝撃で。ずっと覚えていますし、現在にもつながっている学びです。

大井
大井

おっしゃる通り、LTSでは「現場に寄り添う」ことを大事にしています。
これは、他社ではどうですか?

伊賀
伊賀

そう思っている方もいらっしゃいますが、相対的には多くないのかなと思います。
あと、「現場」という言葉が指すものも、LTSにいたときと現職で違うかなと。LTSで現場というと、本当に手を動かしている現場の方、エンドユーザーの方を指し、その方々の視点に立って考えることでした。

伊賀
伊賀

現職では、経営者の方とご一緒することが多いので、そこで言う現場は経営者目線で考えることだと思っています。
当時LTSで言われていた現場と見方は変わりましたが、根本は「今一緒に仕事をしている人」「価値を提供しようとしている人」に対して、相手の立場に立って、何を求めているのかを考え、応えることなのかなと転職後に感じました。
それは、LTSの「現場に寄り添う」というインプットがあったからであり、そこが原点だと思っています。

大井
大井

LTSはシステム展開系の支援からスタートしているので、実際にエンドの一人一人、ヒアリングをする一人一人が「現場」を指している、というのは良く分かります。
すごく幅広い範囲を、「現場」という言葉に内包しているように思います。
確かに、経営陣と各部門の間に入ったり、経営陣と仕事をしたりすることで、「現場」が表す意味が変わるかもしれませんね。

マネージャーとしての経験は、いつすべきか

大井
大井

LTSマインドを持ちつつ…。
直近は、どんなことに挑戦されていますか?

伊賀
伊賀

そうですね、挑戦と言えるかは分かりませんが…。
現在、プレイヤーから徐々にマネジメントの役割に移行してきておりまして。LTSでは、若くしてマネジメント経験ができる環境ですが、現職では年次を経てからマネジメントの役割になることが多いんです。
LTSだと20歳代でマネージャー、30歳前後で部長になる方がいたりしますが、現職ではマネージャーになるのも早くて30歳前後だったりします。

大井
大井

確かに、LTSは若手メンバーが多いこともあり、比較的若いときにマネージャーになることができます。

伊賀
伊賀

LTSに居たときは、当時はシニアコンサルタントでしたが、メンバーマネジメントを求められる機会が多かったように思います。外部からプロジェクトに入ったメンバーをサポートしたり、メンバーの悩みを聞いたりという経験ができました。

そういう意味では、LTSでは若手の段階からコンサルタントとしていかに個力を上げるかの悩みの他に、マネジメントとしての悩みを持つことにもなります。

大井
大井

そうですね。
マネージャー経験はできるものの、専門性を積むことができないままマネジメントになってしまう人も過去にはいました。プロジェクトマネージャーやマネージャーとしてのキャリアが主になっているのは、LTSの課題でもあります。

伊賀
伊賀

現職に移ってからは、コンサルタントとしての個力を磨く時期を経た上で、今はマネジメントの役割としての課題に取り組むことに比重を置くことができています。

大井
大井

専門性が薄いとコンサルタントとして良い仕事ができないので、コンサルティングのレベルの高さや質の高さは、そういうところに起因するのかもしれませんね。

伊賀
伊賀

どちらがいいかは、両方を経験してもなお、解はありません。
ただ、早めにマネジメントとしての意識やスタンスを持つほうがいいのかなとは個人的に思います。

伊賀
伊賀

組織に対する当事者意識や、自分がクライアントに提供しているものがそのまま会社のブランドにつながっていくという視点は、マネジメントをする視座を持っていないと得られないものかなと思います。それを早めに経験できたことは、良かったと思っています。
当然、後に経験することもできますよ。自分自身は、LTSを先に経験でき、良かったと思っています。

大井
大井

なんだか、伊賀さんの成長ぶりを感じて、現場ご一緒したことは無いんですが、親のような気持になってしまって…すみません(笑)。

大井
大井

LTSでは確かに、役職や地位について、常に一つ上を目指せと言われている文化はあります。
1年目でも、2年目でも、お客様からはLTSの代表だとみられていることを意識するように言われます。組織運営の中でも、付加されるところだと思っていました。
そのような経験が、新しい環境でも活きていてよかったです。

常に「コンサルタントとは?」を考える

大井
大井

先程LTSでの「現場に寄り添う」というスタンスが、今でも核になっているとお伺いしました。
LTSという組織の中で他に経験したことで、伊賀さんの中に残っているものはどんなことがありますか?

伊賀
伊賀

大手のコンサルに居なかったからこそ、コンサルとしてどうあるべきか?ということを、いろんな視点で考えることができたかなと思います。
ある程度大手のコンサル会社に就職すると、その後も同じ大手コンサル間で転職することが多いと聞きます。

伊賀
伊賀

LTSから大手のコンサルに転職したということもあり、画一的ないわゆるコンサル、ではない視点で、「コンサルとしての自分のカタ」を作ろうと思いましたし、LTSに所属したからこそ持てた視点を、今も活かすことができていると思います。

大井
大井

LTSでは、コンサルティング会社の一員でありながらも、会社づくりや事業づくりができるという立場だったからですか?

伊賀
伊賀

はい。
「当事者意識を持つ」「自分のやっていることがブランドにつながる」という、LTSではよく言われていたことも、日々コンサルの在り方を考える中で大事にしています。
現職でコンサル哲学について語る企画などもやっていまして、仲間と共に議論を深めています。

伊賀
伊賀

コンサル自体、変わっていかなきゃいけないよね、という話になりまして。その点では、お客様への関わり方について、LTSって結構最先端だったのでは?!と思うこともあります(笑)。
LTSにいると、クライアントに寄り添うことが文化として当たり前かもしれませんが、実は外から見ると先端な考え方やスタンスです。
そこはもっと強みにすべきだと思います!

大井
大井

面白いですね。
お話しを聞いて改めて、うちってそうなんだと思います。
ちなみに、コンサル哲学の勉強会では、他にどのようなことが議論されるんですか?

伊賀
伊賀

コンサルタントって、外部アドバイザー的な役だけではないよね、という議論はよくよく出てきます。
「これってLTSではよく言われていたよな~」と思うこともあります。

伊賀
伊賀

あとは、コンサルタントとクライアントという関係だけではなくお客様と協業をやっていこうという動きもあり、自分たちもお客様といろんな形で向き合うようになってきているけれど、一方では、もっとリスクを取りながら進める必要があるよね、という話など。

大井
大井

社長の樺島さんも、コンサルとしてお客様に向き合うだけではなく、グループ会社との業務など、様々なポジションを用意するので、LTSメンバーにも経験してほしいと言っていました。

伊賀
伊賀

樺島さんのバックグラウンドが、コンサルだけではないというところに起因するのかもしれませんね。
私は結構、樺島さんに影響されているところがあると思っています(笑)。

伊賀
伊賀

転職して1~2年くらいのときに、樺島さんと話をする機会がありました。
その時にも、コンサルだけではない、事業づくりをLTSのメンバーにリードしてほしい、とおっしゃっていました。そういう視点は、今の自分にも当てはまるところがあると思っています。

大井
大井

そうなのですね。
転職後も、樺島さんといろいろお話しされているのですね。

伊賀
伊賀

はい。その樺島さんにお会いした時に言われた言葉で、覚えていることがあって。
マネジメント側(経営者の立場)になっていくと、専門性とは違った観点で、いろんな科目を受験しなきゃいけない。自分が受けたくなかったとしても、いろんな科目を受けて、すべての科目で8割以上取っていかなきゃいけない」と。

伊賀
伊賀

当時いろいろ悩んでいましたが、いろんな科目を受けて、つまりいろんな経験をして、8~9割、何なら10割目指していきたいなと思いました。

経営者とともに事業を作っていく中では、LTSでのインプットの多くが活かされています。スタンスや、組織での立ち回り。樺島さんや、当時一緒に活動していたメンバーなどの言葉なども。
大井さんとやっていた、サービスサイエンスも活用していますよ。

大井
大井

サービスサイエンス、一緒にやりましたね!懐かしい。
嬉しいですね、ありがとうございます。

対談中の様子(上:大井、下:伊賀)

この組織が好きで、この組織で何ができるか

大井
大井

では、これからどんなチャレンジがしたいですか?

伊賀
伊賀

今は、経営者の立場であるパートナーを目指したいと思っています。

これも、樺島さんに言われたことなのですが、「組織に所属している以上、仮に1~2年後その会社に居ないキャリアになるとしても、今この瞬間この組織が好きで、この組織で何かをやろうとするのであれば、コミットしたい旨は表現したほうが良い」と。

大井
大井

パートナーですか!すごい。
私もLTS社員ですが、確かに樺島さんそんなこと言っていた気がします(笑)。

伊賀
伊賀

実際、転職が多い業界なのでコンサルをキャリア形成のためのステップの一つと考える人も多いのですが、それってもったいないですよね。
コンサル会社の中で経営者の立場を目指す人ってあんまりいなくて、私みたいに「パートナーになりたい!」という人はガツガツしていると見られてしまうかもしれません。

伊賀
伊賀

結果、1年後に違うことをしていてもいいとわたしは考えています。
ただ、自分の意思を表明することによって、いろんなチャンスが出てきたりすると思うので、組織に対して責任のある立場で、今いる組織をさらに良くしていきたい、コミットしたい、と表現し、行動していきたいと思います。
今後のキャリアというよりは、スタンスの話になりました。

大井
大井

とてもいい姿勢だと思います。

LTSでは、自分の意思はどんどん表明していこう!という文化も、確かにあるかもしれません。それは若手でも、年次が上でも同じだと思います。

実際、社内には「こんなことがしたい」という誰かの想いで、新しい取り組みやサービスが生まれたり、「こんな風になりたい」という誰かの声に、誰かが耳を傾けてくれることもあったり。

伊賀
伊賀

そういう視点を持つと、いいかなって思っています。LTSに居たときも同じように考えていました。
樺島さん視点で見ると、××のプロジェクトってどう見えるのだろう、と思ったりしていました。

大井
大井

現場の視点、経営者の視点、いろんな視点を持つことは大切ですよね。

コンサルティング会社に入社する人へ

大井
大井

最後に、LTSに限らず、コンサルティング会社へ入社する人へのアドバイスをお願いします。

伊賀
伊賀

コンサルタントとして「当事者意識を持つことは大事」というところだと思います。
「当事者意識を持つ」「自分自身が会社の文化になる」というマインドは、LTSが東証一部に上場して大きな会社になっている中でも変わらずあると思います。
一般にコンサル会社に入社する方も、このマインドは持っておいてほしいなと思います。

伊賀
伊賀

もし、LTSに入社する方なら、そういったマインドを持ちやすい環境や価値観を共有できる仲間が多くいる、そんな環境をフルに活かしてほしいです。
他にはなかなかないことなので!

大井
大井

伊賀さんへのインタビューを通して、自分の会社を見つめなおすきっかけになりました。
今後のご活躍を期待しています!

大井
大井

ありがとうございました。


ライター

大山 あゆみ(LTS コンサルタント)

自動車部品メーカーにて、グローバルで統一された品質管理の仕組みの構築・定着化を支援。産休・育休を経て、CLOVER Lightの立ち上げ、記事の企画・執筆を務める。現在、社内システム開発PJに携わりながら、アジャイル開発スクラムを勉強中。Scrum Alliance認定スクラムマスター(CSM)、アドバンスド認定スクラムマスター(A-CSM)、Outsystems Delivery Specialist保有。(2023年12月時点)