変化を続ける新卒採用(後編)~人事も経営陣も現場社員も、全員参加の新卒採用活動へ~

LTS経営・組織

現在、LTSの取締役COO執行役員を務めるのは、2008年に新卒第1期生としてLTSに入社した上野亮祐。そして、LTS新卒採用の中核を担うのは、人事部・新卒採用グループのグループ長の太田貴博。今回、この2人が会社組織の状況を踏まえ、新卒採用の在り方や考え方について対談をしました。

上野 亮祐(LTS 取締役COO)
ユーザー企業側の立場でのITグランドデザイン策定や投資計画の立案、個別PJにおける構想策定や要件定義、PJ管理を担当。得意領域は資金管理・財務会計。2018年1月より執行役員、2019年3月に取締役に就任。

太田 貴博(LTS ビジネスマネジメント本部・人事部・新卒採用グループ長)
中途でLTSに入社。チェンジマネジメント案件に携わる一方、新卒二期生採用を担当する中で、採用の面白さを実感。2010年に一度離職し、人事・採用のアウトソーサーで活動後、2013年再入社。その後は一貫して新卒採用を担当。社内でのキャリアコンサルティング窓口を務める。

現場で活躍する社員が採用活動に参加することでしか、伝えられないことがある

太田:
実際に現場で活躍している社員の方々にも、少しずつ説明会の場に参加いただけるようになりました。2022年に入社予定の学生さんとの座談会なども開催しています。あとは、選考過程でお話しいただくような面談もありますね。

太田:
これから100人規模の新卒採用をやっていこうとすると、上野さんにお話しいただいているようなミッション・ビジョンの発信や、LTSに色々な活躍の場があるということを理解して発信するような、リクルーターが必要だなと感じています。LTSでのリクルーターという意味ではなく、世にいうリクルーターです。母校の学生さんとオンラインでつながって、コミュニケーションを取ってくれる方々を増やしていくのがいいのかな、と漠然と考えています。

上野:
実際、現場社員も採用を仲間集めとして前向きにとらえている人が多いので、本当に助かっていますよね。巻き込める人、みんな巻き込んでやろう!って感じで。相当、総力戦感ありますよね(笑)。

太田:
ほんとにそう思います。

上野:
そういえば、最近、他の会社の採用ページを見ていて思ったことがあるんです。LTSの新卒採用のサイトに載っている最年少の人って2016年入社の社員。彼らはもう6年目の社員として学生さんには映るじゃないですか。他の会社の採用ページを見ると、19年入社・20年入社とか、若くて活躍している人が載っていて、そうすると学生さんも「この会社には若くて活躍している人がいっぱいいるんだな」と思うんじゃないかな、と。こういう細かい印象も、結構大切なのかなと思いました。

太田:
確かに、そうですね。

上野:
やはり、学生さんが一番気になるポイントは、3年目とか5年目とかある軸で切り取った時の社員が「すごく活躍している!」とか「他の会社ではできないようなことをやっている!」ということだと思います。学生さんがそういった生の情報に、しっかり触れることができることはすごく大切で、わたしたちはそれを選考の後半で、面談という形でやっているんですけど、母集団作るところでもすごい大事なんじゃないかな、と思うんですよね。きちんと実例付きで、若い社員の活躍を伝えられるようにしなきゃな、と。それをするためにも、逆説的ではあるんですが、会社の中では若手社員も実際にたくさんチャレンジして、本当に活躍してもらう必要がある。結局、社員一人一人が生き生き仕事していること以上に訴求できることはないですよ。

上野:
そういえば、今はもう時効だと思うんですけど…、2012年入社の人向けの採用の時には、わたしはオーストラリアのプロジェクトで仕事をしていて、オーストラリアからのビデオレターというのを採用で使ったんですよ。

太田:
おぉーすごい。現場の空気感やプロジェクトの緊張感もパッケージされていそうですね!

上野:
でも実は、オーストラリアで撮ってなくて…普通にLTSのオフィスで撮っていました(笑)。オーストラリアの職場はカメラ持ち込みがNGで、仕方なく帰国したタイミングで泣く泣く撮影したんですが、その動画がすごい評判良かったらしく、当時入社した社員が「上野さんのあの動画見て入りました」って言ってたんです。「あれをオフィスで撮ったって聞いて、後ですごくショックでした」とも聞きましたが(笑)。

上野:
実際の場所はともかく、当時入社4年目のわたしが、海外でこんな仕事を、こんな想いを持ってやっているという話を精一杯して、それを見て入社したいという社員がいたのであれば、現場で必死に頑張って活躍している若手社員が話すことで初めて伝わることもあるんだろうなって。そんなことを思いました。

急成長する会社の伸びしろに対応するための採用のアップデートを

太田:
今、採用職種も増えてきましたし、それに加えて事業部と拠点が紐づくこともあったりします。今後は、拠点別の採用にも取り組んでいきますので、そこでの事業部の皆さんとの連携や、それをきちんと活動に落とし込んでいく体制を作っていくことが、この後工程で重要になってくるところかなと思います。事業部ごとの要件、考え方、に基づいて人を採用するという点において、かなり中途採用と近づいているところがあるなと感じます。

上野:
採用したい人の像がはっきりしてきましたよね。コンサルタントの話が多かったですけど、増えた他の職種の状況はどうですか。

太田:
採用という意味では、職種ごとに違いますね。やはりコンサルの採用と並行して他の職種の採用もやるのは、どうしても覆いきれない部分が出てきます。それもあって、体制をきちんと組んでその職種の採用を、オーナーシップを持って進める社員が必要かなというのは課題として考えています。社内にそこをやってくれる人がいるよ、って人はぜひキャリアリンク※1を通じてぜひ手を挙げてください(笑)。

※1 キャリアリンク:社員に募集ポジションや条件を公開し、希望するポジションに登録してもらうもの。本⼈、所属部門、募集部門、⼈事で調整や相談を重ね、⼈事配置に反映する取り組み。

上野:
宣伝しておいたほうがいいですよ(笑)。

(写真1)対談中の太田(左)と上野(右)、和やかな様子

太田:
関西や静岡エリアの採用も人事部でやっていますが、すごく心苦しいのが、運用のエンジニアを…とか、開発のエンジニア5人でね…と言われてもなかなか即時対応ができないのが現実としてあります。LTSの良いところではあるんですが、全社的にオーソライズを取って何か物事が進んでいくというよりも、強い思いを持ったリーダーの方のこういう組織作りをしたい、こういう展開をしたい、という想いの中で人の要望が挙がってくるんです。だから急な要望になり人事部の対処が遅れてしまう。逆に、全社でオーソライズしてからだと人材が必要なタイミングに間に合わなくて…、そのあたりも活動のプロセスなのか体制なのか、うまく組んで即時対応できるような採用チームにしたいんですけどね。

上野:
そうですよね。会社の動きもどんどん早くなってきましたよね。

太田:
はい。事業部も増えてきたので、求められるリクエストも増えました。

太田:
考えていなかった職種の採用をし始めて大事なのかなと思い始めているのは、こういう職種って今のうちに新卒採用を動き始めておいたほうがいいかな、と先行して考えることです。例えば、AIのエンジニアだと、機械学習やデータサイエンティストもそうですが、今後中核になるような人を中途で採用するとコストの話もありますが、まずなかなか出会えない、というのが現実としてあります。なので、そういう方を新卒時点で採用していこうと考えると、要望を待って動くというよりは、先にこういう職種も必要なんじゃないか、こういう専門性を持った人を新卒で獲得していきませんか、とこちらから提案することもあります。職種の増加に触発されて感じたことですね。今まではコンサルタントやエンジニアの採用のみをやってきたので、ここにきて職種が増えたことで、それを強く感じます。

上野:
各組織の未来を見て、採用を進めているということですね。

太田:
そんなたいそうなものではないですよ。ただ、考える機会は増えましたね。ある部では技術マップを頂いて、こういう方向でやりたいのであれば、今は受け皿ないけれども、セキュリティに関心がある方もどうかな…とか。こういう組織を作りたいからメッセージに載せてほしい、とか。いろんな要望はあります。

太田:
あとは、新卒採用チームに求められるスキルも変わってきたように思っています。例えば、去年思ったことは、各部から挙がってくるふわっとした人材像を、行動要件や行動特性として言葉で固める必要がありますが、それが結構時間かかりまして。

太田:
採用、というか、人事部全体なのかもしれないですけど、パワーアップしないといけないなと感じています。LTSという会社の成長の伸びしろが、せっかくこれだけあるのに、応えきれていないのがもったいないなと感じます。数年前に現場の社員に手伝ってもらい、求める人材像を言語化したことがありましたが、すごく助かりました。

太田:
今も経営戦略に関わっている社員にいろいろ見ていただいていて、気づくことが多いですね。そんなこともあるんだ、みたいな。気づかされます。いままでは採用チームの中だけで考えて作っていた採用計画を、今はいろんな関係者を巻き込んで、方針を作っています。足りないコンピテンシーを別職種の方々に協力いただきながら進めるのも改めて勉強になるな、と。

上野:
そういう風に太田さんに言ってもらえるのはうれしいですね。

上野:
正直、「採用のレベルアップをしよう!」と社長の樺島に言われたとき、自分にできることは何だろう?と思いましたよ。採用の専門家である太田さんをはじめ、人事部の採用の専門家を前に、事業を担う役員として欲しい人材やメッセージは言えるけれども、採用という観点で自分は何が貢献できるかな、という風に考えていました。

上野:
手伝ってくれている別の社員も採用のプロではないのですが、全然違うバックグラウンド持ちながらも、LTSを成長させたいという想いはシェアした状態で、いろんな意見を交換して前に進めている感覚はあるので、よかったです。

太田:
ありがたいですよ。

採用は未来に向けた仲間づくり

太田:
今、採用メッセージが見直されていて、2023年採用から数年そのメッセージで進める予定なんですよね。メッセージはこの後もマイナーチェンジをしながら、ステージごとに考えていく、ということを繰り返していくんだろうなと思っているので、せっかくだったらこれまでのやり方とは違って、マイナーチェンジのタイミングでは、その時々の現場の皆さんのお声を反映させながら、経営陣の考えを反映させながらやっていくというやり方はすごくいいなぁ、と思っていますね。

太田:
採用メッセージも何か一つというよりも、先ほど上野さんからもありましたが、人によってヒットする部分が異なるので、「LTSにはこんな機会があるよ」というのをちりばめるイメージです。ただ根底にあるのは、“ミッション・ビジョンへの共感”というところがみんなに通じるところかな、とも思うんですけどね。どっちかというと、上に載ってくるそういう共感ポイントが、組織のフェーズでちょっと変わってきたんですよね。それも、LTSが成長してきたところなのかな、と思いますね。

上野:
メッセージの中の根幹にある部分で、目線をすごく先に持ってもらうことが大事なことだと思っています。一時期、LTSをベンチャーとして語るには、もうフェーズ的に変わってきたんじゃないかって、上場もしたしベンチャーには映んないかなって思っていた時期があったんです。でも、改めてやっぱりメッセージに“ベンチャー”とか“成長企業”というのはしっかり打ち出していこうと思っています。

上野:
それは、今この瞬間を考えたり、1~2年を見たりしてもよくわからないかもしれないですが、2030年にアジアで存在感のある会社になるんだというところをベースに持ってくると、それと比べると今はまだまだ小さな存在なんですよね。そこにスピード感をもって駆け上げっていく、しかも企業の“文化”とか“人との関係”といういいカルチャーを棄損せずにそういうところに持っていこうとしているんだというのを、しっかり最初からメッセージとして一貫して伝えていくことができるようにしたいですね。

上野:
LTSのメッセージっていいものだと思っていますし、個別の話ではいいコンテンツもたくさんあるんですよね。ただ、もっとストーリーを磨く必要はあると思います。引き続き太田さんと、そこを練り上げて、学生さんが自分でついつい話したくなってしまうようなストーリーを作りたいですね!

太田:
実は、いまブルブルしていることがあって…。これから十数年たつとグローバル企業になっていって、今抱えている組織特徴も「なんか数年前、そんな話してたよね…古くない?」と思うようになって、またゼロからメッセージやストーリーを考えて、、、と繰り返していくのか、大変だな…と。それがうちっぽいところかなとも思っていますが(笑)。

上野:
3年後、全然違うこと言ってる可能性ありますからね(笑)。まさに、この感覚自体を伝えてあげたいんですけどね、学生さんたちに、会社がそういうフェーズにいるよってことを。

太田:
この半年くらい、大変なことも多いですが、この会社で新卒採用をやっていてよかったなと思う場面もそれに増してとても多いです。

太田:
繰り返しになりますが、組織の変化や外部環境の変化に採用戦略やオペレーションを整合させるということを、オペレーションを回しながら進めるのは結構難しくて。現実的な時間の確保だったり、普段使っている脳みそやスキルとちょっと違うところを使ったり、厳しいなと思っています。

太田:
そこに、上野さんがご協力くださったり、中期経営計画を立てている社員が加わってくださったり、その他にも別の大手外資コンサルティング会社の人事を務めていらっしゃる方に、採用のアドバイスをいただけるような機会を頂けたり、こんなにみんなから支えていただきながら活動の変化を作っていける組織っていいなぁと感じますね。

上野:
中期経営計画達成のために採用が全てだって、社内でよく言ってると思うんですけど、最近考え方を変えたんですよ。中期経営計画で達成したいことは、“人を採用すること・仲間を集めること”なんだろうな、と。中期経営計画終了年の2024年、数字が大幅に達成できたけど、社員も疲弊して会社文化も棄損している、という状態と、数字は達成ギリギリでも素晴らしいと胸を張って言える人と会社文化がある、という状態だったら、間違いなく後者を選びます。

上野:
本番は2030年、そこに向けた勝負じゃないですか。中期経営計画が指す24年ってまだ中間地点で、その時の数字にはあんまり意味はなくて、大事なのはその時に仲間がちゃんといるということだと思うんです。だから、本当に採用が大切なんです。

太田:
すごい、燃える言葉ですね。ありがとうございます。本当に。

上野:
いえ、こちらこそ。採用楽しいですよ、ほんとに。ヒリヒリします。

(写真2)対談した太田(左)と上野(右上)、対談を傍聴していた採用メンバーの一人である吉野(右下)

執筆者

ayumi.oyama
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CLOVER編集部員。育休復帰後、CLOVERの立ち上げ・運営に携わる。
記事の企画・取材・執筆を担当。仕事と娘2人の育児で毎日がにぎやか。地元は九州。

編集者

yuya.kaseda
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CLOVERの編集・全体監修~メディア企画・運営全般。
SE、テクニカルライターを経てLTSでコンサルタントを経験、現在はLTSのマーケティングGリーダー。
スライド式QWERTY物理キーボード愛好家。